重ネル其レハ偽リデ ページ8
「......だ、太宰さん?」
「駄目じゃないか、A。私の事を呼ぶ時は、何と呼ぶか......教えた筈だよ」
その身体に、ちゃあんとね
背後にある物は冷たいビルの壁、前には自分よりもずっと長身の男。手首を壁に押し付けられ、固定され、全く身動きが取れない状況になってしまった。
彼女の耳元で彼は低い声で、甘く囁く。耳に掛かる吐息の擽ったさに、肩をビクッと震わせた。其の反応を見た太宰は、何とも言えないゾクゾクとした背徳感に襲われる。
「耳、弱いのかい?好い反応だ」
雪の様に白い肌を赤く染める彼女の姿は、とても可愛らしく思えた。
特務課の思い通りに、自分の異能を掌握されるつもりは更々ない。もし彼がその気になれば、彼女程度の監視役なんて簡単に政府に送り返す事も出来る。それでも、何もしないで監視の目を、態々置いたのは何故なのか。
「......私と貴方は、別に」
「呼んで?君に拒否する権利はないのだよ、私が欲しいんだろう?」
“さあ、早く......”
彼女は己には逆らえない。
其れを知っている。
琥珀色の瞳に映る己は口角を上げ、愉しげに嗤っていた。暫く待つと、彼女の薄い薔薇色の唇が、微かに震えながらも、ゆっくりと形を変え動かされる。
「治、さん......」
嗚呼、とても満足した。
「よく出来ました」
太宰はそう呟くと、彼女の唇に己の唇を重ねるのだった。愛情の無い、偽りの夫婦。標的と監視役という関係の二人が行き着く先は、まだ誰も知らない。
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ミサぽん(プロフ) - カエデさん» コメント有難うございます！ いやいや、そんな......羨ましいだなんて、もっと上手くなりたいと思っている位ですよ、ですけど 有難うございます！嬉しいですっ (2019年7月7日 17時) (
レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - こんにちは。読ませて頂きました。ミサぽんさんって絵がお上手なんですね！羨ましいです！ (2019年7月7日 16時) (レス) id: 611e70016f (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ﾔﾖｲ―さん» コメント有難うございます！成る可く早い内に、続編を作成します。いつも読んでくださり、感謝感激です！ (2019年6月16日 9時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ﾔﾖｲ― - こんにちは。引き続き続編も楽しみにしております！笑 (2019年6月16日 9時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ﾔﾖｲ―さん» 初めまして！いつも！？ え、え、有難うございますっ 楽しく！？...嬉しくて涙が出てしまいます。これからも更新、頑張っていきますね！感想、有難うございます。 (2019年6月9日 22時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサぽん | 作成日時：2019年5月27日 11時
