傍観者達ノ小サナ独リ言 ページ24
疾い。
疾過ぎて、目が追いつかなかった。谷崎が一瞬でアンに捕まったと思えば、扉が開き中から無数の手が伸びてくる。
拘束された谷崎は、扉の奥に引き摺り込まれてしまった。断末魔が響き、扉が閉まるまでの時間はたったの十数秒。
「......ッ」
「予想以上だったかい?お嬢さん」
呆気にとられていると、白衣を着た男が私に声を掛けてきた。
ハッと我に返り、相手の方を向くと男性は穏やかな笑みを浮かべている。そしてアンと人虎の方に視線を向け、何かを考えるように顎に手を中てた。
「えぇ、予想以上の
「そうだねぇ......君は何方が
「現状から見ると、速度は互角。体力の問題を考えたら、彼が少々不利ですが......何方が勝つかは最後迄判りません」
「それもそうだねぇ、遊戯とは唯ルールに従うだけの世界とは違って、予想外の仕掛があるものだ」
巨大な身体に合わず、俊敏な動きで人虎を追いかけるアン。そんなアンを軽業師の様に軽い身のこなしで避け続ける人虎、速度はほぼ互角だが、異能生命体であるアンを操るモンゴメリの方が、人虎より少し有利だろうか?
何方が勝利を手にするのか、私には予想が出来ない。
遊戯と云うモノは常に、自分達の予想を遥かに上回る展開が何処かに隠されているものだ。
「何て力強くて便利な異能なんでしょう。さぞ幼少から皆にちやほやされたに違いないわ」
モンゴメリが人虎の動きにパチパチと拍手を送り、明るい口調でそんな事を言い始める。だけど、口調とは裏腹に彼女の瞳は少しずつ、暗い影を落とし始めたのを、私は見逃さなかった。
多分他の二人も気づいただろう。
「......」
「貴方 元孤児なのですってね」
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ミサぽん(プロフ) - カエデさん» コメント有難うございます! いやいや、そんな......羨ましいだなんて、もっと上手くなりたいと思っている位ですよ、ですけど 有難うございます!嬉しいですっ (2019年7月7日 17時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - こんにちは。読ませて頂きました。ミサぽんさんって絵がお上手なんですね!羨ましいです! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 611e70016f (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます!成る可く早い内に、続編を作成します。いつも読んでくださり、感謝感激です! (2019年6月16日 9時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - こんにちは。引き続き続編も楽しみにしております!笑 (2019年6月16日 9時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 初めまして!いつも!? え、え、有難うございますっ 楽しく!?...嬉しくて涙が出てしまいます。これからも更新、頑張っていきますね!感想、有難うございます。 (2019年6月9日 22時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年5月27日 11時