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「あいつ...サウスブルーのキャプテン・キッドだ...」
「おい！目合わすなよ！」
ヒューマンショップの会場内で客達は壁際に立つ男の姿に表情を強ばらせる
ｷｯﾄﾞ「雑魚が見てんじゃねぇよ」
なかなか始まらないオークションに苛立ちながら会場に集まった人間達を目で殺せそうな程睨みつける男
キッド海賊団船長ユースタス・ キャプテン・キッド
ｷｯﾄﾞ「天竜人、奴 隷、ヒューマンショップ...欲をかいた権力者の純心に比べれば、世の悪党の方が幾らか人道的だ。クズが世界を支配するからクズが生まれる。そんな事も分からねぇか。俺達は悪意がある分可愛いもんだな。キラー。」
ｷﾗｰ「違いない。」
彼の右腕キラーは先程、21番グローブでロー達が戦いを見物していた男だった
部下「キッドの頭、あれを。」
ｷｯﾄﾞ「あ？」
キッドは耳打ちしてきた部下の視線の先に見覚えのある男を捉えた
ｷｯﾄﾞ「...見た顔だな。」
部下「ノースブルーの２億の賞金首トラファルガー・ローだ。随分悪い噂を聞いている。」
ｷｯﾄﾞ「妙なミンク族も居るな。ふは！あれも仲間かよ。...ん？なんだあの女。」
トラファルガー・ローの引き連れている仲間を品定めするように見ていたキッド
薄い会場内でも彼の目を一際惹き付ける女がいた
ｷﾗｰ「イェシェン・Aだ。」
彼の視線に気づいたキラーが女の名を口にする
それは何度か耳にした名前だった
彼女を知らぬ者など居るはずがないのだ
ｷﾗｰ「最凶最悪の殺 戮種族。元世界政府の狗だったが、あまりの脅威に奴らの手にも収まりきらず遂には抹殺された存在。だが、ただ1人だけ生き残っていたというニュースが世界を恐怖に落とし入れた。夜兎は一体で幾つもの国を滅ぼす事が出来る生き物だと噂されている。」
ｷｯﾄﾞ「へぇ...どんな化物かと思ったが血も凍る様な噂話や"神殺し"の異名は似合わねぇな。あれはかなりの嬢玉だぜ。」
ｷﾗｰ「...おい、キッド。手を出すなよ。
あの女は敵のクルーだ。厄介なことになる。」
キッドのAに対する興味に最速キラーが釘を打つ
ｷｯﾄﾞ「あぁ？ごちゃごちゃうるせｯ...！」
次の瞬間こちらを振り返ったローとキッドは目が合った
すると彼は隣に座るAを自分の方へ引き寄せると挑発的な笑みを浮かべながら中指を立ててきた
ｷｯﾄﾞ「...ﾊｯ行儀も悪ぃな！」
恐らく牽制のつもりだろう
キラーの言う通りイェシェン・Aに手を出すと厄介だと彼は思った
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作者名：ゆんゆ | 作成日時：2016年10月3日 20時
