[2BRO.] あなたと過ごした記憶

#3 ページ4

しばらくしてから荒々しく玄関が開けば走りながら私達がいるリビングへと向かってくる足音が聞こえてくる。
ドアが開いた先には額に汗を滲ませ少し息のあがったおついちさんの姿があった。


おつ｢ごめんね!遅くなって｣
『いや、突然呼んでごめんね』
弟｢まぁとりあえず座ってよ｣


目の前で手を合わせるおついちさんに弟者が座るよう促す。
メッセージでは特に兄者の事は伝えずに、"すぐ来て"とだけ伝えたようだ。

私が話をしようとすれば弟者がそれを止めかわりにおついちさんに話す。
弟者が淡々と話だし、それを聞いていたおついちさんは信じられないといった顔をしたが私の苦笑いとも何とも言えない表情で、それが現実なのだと受け入れたようだった。


おつ｢そんな事があったんだ…｣
弟｢本当にごめんA｣
『なんで弟者が謝るの、おついちさんもそんなしんみりしないでよ』


全て話し終えてからお葬式のような雰囲気になってしまい私は必死に笑顔を取り繕う。
2人は軽く頷くもすぐに黙り込み私も黙ってしまう。
とにかくなにか話さなくちゃと口から出たのは今後の事だった。


『と、とにかく私これから2BRO.さんと一緒にゲームできなくなるのかな』
弟｢やだよそんなの!俺、楽しかったもん!｣
おつ｢そうだよ、悪いのは兄者でしょ?もうAは俺らの仲間と一緒だよ｣
『仲間…』


"仲間"
その言葉に胸が熱くなりまた目頭が熱くなるものの、それを抑え笑顔を見せる。
何も取り繕ってない本当の笑顔を。

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