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夏川side




今週も係活動。今日は備品の整理らしい。

先週やっときゃよかったんじゃね?と思うが、口は出さない。


体育祭の練習が始まったので、嫌でも身体中埃っぽくなる。

外は雨が降っているので、湿気がじっとりとまとわりついて最悪でしかない。




「夏川、今日お前傘持ってきた?」


「いや忘れた。一ノ瀬も?」


「俺は持ってきた。夏川が忘れるんじゃないかって思って」




完璧な推測だな。




「ありがたいけど、俺は今日濡れて帰る予定だぜ」


「風邪引くよ」


「おふくろかよ」


「今日の夕飯はお茶漬けだからね」


「それじゃお腹に溜まらねーよ」


「お茶漬け以外には豆腐しかないわ」




一ノ瀬の家の冷蔵庫はどうなってるんだ……?




「そういえば、さっき総務班が借り物競走のお題作ってたよ」


「切り替え早ぇな」




確かにもうそんな時期だ。

一ノ瀬も俺も、それなりにモテる。俺は彼女がいた期間もあったけど、一ノ瀬にはない。

その理由は、




「今年のお題、どんなのあった?」


「好きな人、部活の先輩or後輩、好きな先生……、今年は幼馴染みが無かったかも」




一ノ瀬には幼馴染みがいるからだ。俺たちと同じクラスの片岡夕梨。


陸上部のエース。勉強も上位20名に入るレベル。しかも人懐っこくて可愛い。

おまけに一ノ瀬の隣の席。そりゃ女子は一ノ瀬に手ぇ出せねーよな。




「一ノ瀬は何の競技やるんだ?」


「借り物競走。あれ楽しいじゃん。俺たちからしたら」


「ドSか。俺も借り物競走だけど」




俺らが1年の頃は、楽だから借り物競走を選んでいた。もちろん何も起きなかった。


文化祭で一ノ瀬がミスターコンに優勝し、俺も2位に落ち着いてからは違った。

2年の体育祭は、女子の校則違反が目立った。その日だけ私服で登校してきた奴もいたらしいな。
知らんけど。


まぁもちろん見てなかったんだけどな。

全校生徒約700人の中で私服で来られても、観察どころか発見すらできなくね?



そんなこんなで3年に進級し、一ノ瀬と俺は同じクラスになってしまった。





「今年は怪我人が増えそうだね」


「『捻挫しましたぁ〜(泣』ってか?1年に任せようぜ」





一ノ瀬はクスッと笑った。

すげぇ、初めて見る。




「珍しっ」


「俺だって笑うよ。失礼な」




笑えんならずっと表情筋使っとけよ。

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ろぐ(プロフ) - 大手裏剣さん» ありがとうございますっ……部活が思いの外忙しくてなかなか更新できていませんが完結させる予定なので、応援して頂けると嬉しいです(´∀`) (2020年7月30日 23時) (レス) id: 094eb64ef2 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - わ〜とても雰囲気が好みです…。執筆頑張って下さい…! (2020年7月30日 12時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろぐ | 作成日時:2020年7月18日 23時

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