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episode56 ページ9

本当は他人の事なんかどうだっていい

オレはそういう人間だ。

しかし、なぜかAという子だけ気になる…

だから演じるしかない。

優しくて正義感が強くて悪い事なんて出来ない

そんな理想の自分を。

それがオレだ…

それが向井ユウマだ。



__



あやめ「え…演技…!?…ど…どういう事!?全部…思ってもない事言ってたって事…!?

これまでの言葉も…全部…!?」


ユウマ「ち…違う…違うんだ…オレは…」フラ


ミズキ「気になってたんだぁユウマ君と最初に会った時…この子と同じく瞳の奥の暗さに確かに共感を感じたのに……

ユウマ君の正義感溢れるキャラクターは第一印象とかけ離れてた

やっと謎が解けたよぉ

作ってたんだね " 向井ユウマ " ってキャラクターを」


ユウマ「ち…違う!オレは本心から…」


ミズキ「そう思いたいだけなんだよね?

これまで身を挺して大金かけて他人を助けてたのも本心からじゃない

" 正しい人間向井ユウマはそうすべき " って義務感からだったんだよね?

認められたかったんだよね?自分の存在を確かなものにする為に」


ユウマ「やめろォおおぉおっ」


キリカ「ユウマくん!!」

あやめ「向井!!」


ミズキ「これで最後だよ 燃料投下」


ボイスメモ


そこには数々のユウマ君を賞賛する人の声があった。



ミズキ「自分に向けられた賛辞の録音

繰り返し繰り返し…聞いてたんでしょ?ヒーロー扱いされて気持ち良かったんでしょ?

向井ユウマってキャラクターが皆に認められてるみたいで…」


するとユウマの様子が変になった。


ユウマ「あぁああぁぁああ…」


シーーン


チホ「ゆ…ユウマさん…血が__」


ユウマ「触んな…」


あやめ「向井…?」


『(もしかして…!)』


ユウマ「あ〜あ……ったくよォ…

後悔させてやるよ 蔵科ミズキぃ…!!」


『(凄い…!!ドキドキするよ…希望が絶望に打ち勝つ瞬間…それに今までとは比じゃない位…!)』



チホ「ゆ…ユウマさんっあの人の言ってる事…デタラメですよね!?私に言ってくれた言葉は…全部ユウマさんの本心からで__」


トトトトトッ


チホの声が聞こえないのかさっきとは打って変わってスマホを弄っている。



___




ミズキ「いや〜〜〜びっくりだよォ それがユウマ君のキャラ?いいね〜〜さっきまでの偽善者キャラより全然好きだよォ

…で?ボクの中身覗いて…何を見つけてくれたのかなぁ?」

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作者名:OGー© | 作成日時:2018年4月22日 19時

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