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雫が三十六粒 ページ38

あれから三日後。


Aは仕事に来るものの、琴音のいた席を見ては、悲しそうにそっと琴音が使っていた机を撫でていた。



そんなAに太宰は何も"言わなかった"。


いや、"言えなかった。"




何故なら琴音を一番陥れたのは自分なのだから。




その事を未だにAに隠して、無かったことにしようとしている。



悪いと分かっていながらも、Aに嫌われたくない。


だから言ったら嫌われてしまうかもしれない。



そう思って太宰は、ただAを見守ることしか出来なかった。





ふと、先程までお菓子を頬張っていた乱歩が、Aに近づいた。





「凛に、琴音に会いたいか?」





と言って。


その言葉にAは目をぱちくりさせ、暫く考えた後、縦に頷いた。


その様子をしっかりと目で見た乱歩は次に、爆弾発言を落とした。





























「琴音は今、生きている。」








ガタッという音を発たせ、座っていた椅子から飛び上がる。






「何処に居るんですか!!??」





会いたい



その一心だった



話をしたい



どうしてあんな事をしていたのか



私に正解を言ってくれなかったのか



__聞きたい__






「彼女は今、素敵帽子君のセーフハウスの一つに居る。行くなら太宰も連れていけ。」




そう言って乱歩が印をつけた地図を貰い、Aは"素敵帽子君"という単語を聞き、嫌そうにしている太宰の首根っこを掴み、引き摺りながら印のついた場所を目指す




歩いている時間さえも惜しいと思い、全力で走った






___どうか、もう一度だけ、私にチャンスを下さい___

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狼狐(プロフ) - 必殺!一気読み!!▼狼狐は一気読みを繰り出した▼ ←マジです。1時間で読み終えました(遅)感動し過ぎで泣きました。最初悪女に成り切れない悪女ってどゆこと?って思ってましたがこーゆーこととは・・・・!納得です★あぁ、続きが見てぇ・・・ (2022年2月12日 17時) (レス) id: 563f93d61f (このIDを非表示/違反報告)
つくも(プロフ) - 感動のあまり、涙が……泣けました。コレってアニメ化しないんですか?(冗談です)続編が見たいです。あ、でも、コレで終わりってなるのも味的に良いかも……うあ、でも…………見たい!見たいです!!! (2021年7月3日 15時) (レス) id: 3b5cd0d846 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 味付けのりぃさん» そう言って下さり有り難うございます! (2019年8月9日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
味付けのりぃ - あああぁぁぁ…まじで涙出たぁぁぁぁ…いい話すぎる(?)この作品を作ってくれてありがとうございます…!こんなん泣くしかねーわ(( (2019年8月9日 1時) (レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 557*ココナさん» この作品を読んで下さり有り難うございました!! (2019年7月29日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨル | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年7月3日 1時

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