雫が三十三粒 ページ35
「嘘、でしょ、、、。」
そうポツリと呟き、Aを悲しそうに見た。
そして、自分の手を見て、グッと唇を噛み締め、探偵社を出た。
「逃がすか!!!」
そう言って敦たちが凛の後を追う。
Aもそれの後に続く。
だがその顔には怒りはなく、ただ疑問が浮かんでいた。
凛は階段を上へ上へと駆け上がる。
息を切らしながら、涙を流しながら
そして、屋上へと出た。
凛はパラペットに立ち、探偵社のみんなの方を見て、Aを見た。
その顔は、悲しそうに微笑んでいた。
「ごめん、A。また、貴女との約束破っちゃう。約束、守れなくてごめん。どんなときでも貴女の側に居ると、約束した。けど、私は貴女を護るために側に居たのに、逆に、Aを傷付けてしまった。」
Aと乱歩以外の探偵社員は困惑していた。
何の話か分からないと言うような顔で、凛を見ていた。
いや、目が凛から離せなかった。
あまりにも凛が、優しく、これまで見たことの無いような顔でAを見つめるのだから。
一方Aは、足りなかったピースがカチリ、カチリ、と音を発てていくように未完成なパズルが出来上がっていく。
_約束_
その約束は、Aとあの子二人だけの約束。
その約束を目の前にいる彼女は "守れなくてごめん" と、そう言ったのだ。
「まさかっ、、、、!!!」
Aは息を呑んだ。
あり得ない。
その言葉が頭を埋め尽くす。
けれど、その約束は私と"あの子"以外知る筈がない。
ということは彼女は_!!
「__さようなら、A。どうか、生きて。」
46人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
狼狐(プロフ) - 必殺!一気読み!!▼狼狐は一気読みを繰り出した▼ ←マジです。1時間で読み終えました(遅)感動し過ぎで泣きました。最初悪女に成り切れない悪女ってどゆこと?って思ってましたがこーゆーこととは・・・・!納得です★あぁ、続きが見てぇ・・・ (2022年2月12日 17時) (レス) id: 563f93d61f (このIDを非表示/違反報告)
つくも(プロフ) - 感動のあまり、涙が……泣けました。コレってアニメ化しないんですか?(冗談です)続編が見たいです。あ、でも、コレで終わりってなるのも味的に良いかも……うあ、でも…………見たい!見たいです!!! (2021年7月3日 15時) (レス) id: 3b5cd0d846 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 味付けのりぃさん» そう言って下さり有り難うございます! (2019年8月9日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
味付けのりぃ - あああぁぁぁ…まじで涙出たぁぁぁぁ…いい話すぎる(?)この作品を作ってくれてありがとうございます…!こんなん泣くしかねーわ(( (2019年8月9日 1時) (レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 557*ココナさん» この作品を読んで下さり有り難うございました!! (2019年7月29日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ