ローリングコースター４

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「違うって。浮気なんかしてへん。
望の態度深読みして、
勝手に嫉妬して、不安なって、
感情ぶつけた事を謝ってるねん」


「のんも、のんも、ごめんなさい。
大嫌いなんて嘘やもん」


「分かってるから」


流星が、ふわっと包むように抱きしめてくれた時。


扉がドンドン激しくノックされた。


「とも！とも！開けて！」


重岡さんの、やけに切羽詰まった声。


気になって、ドアの方、振り返る。


「大毅、うるさいって。迷惑やろ」


ともが呆れたように言うて、
ドアを内側から開いた瞬間、

重岡さんが滑り込んできて。


ぎゅっと、ともを抱きしめた。


「ともと重岡さん、らぶらぶや。きゃっ」


見てはいけないような、
こっそり覗いてみたいような、

ううん、じいっと見つめてたい。


親友のともの幸せは、のんの幸せやもん。


「ちょ、大毅っ、離せって。
みんなおるからっ」


ともが必死で、重岡さんから逃れてる。


「みんな？
のんちゃんだけやろ？
のんちゃん、ともは渡せへんならな！」


部屋の奥まで歩いて来た重岡さんやけど、
流星の服の裾、ぎゅっと掴んでる、のんを見て。

あれ？って、気の抜けた顔になった。


「ごめん。しげ」


流星が謝ってるんはなんで？


「なんや、やっぱり流星の杞憂やんけっ。
のんちゃんの特別な人は、
いつまで経っても初恋のともやとか。
今、二人っきりで、ともの部屋におる言うから！
もお！騙された！」


地団駄踏んで、ちょっと可愛い。


「重岡さんも嫉妬？
みんな過去のことで、
なんでそんなやきもち妬くん？
のんがともを好きやったんは、
１０年も前の話やのに」


のんの言葉に、誰より、ともが驚いてる。


「な。のんちゃん、何の冗談？」


ともの、くりくりのお目目、
これ以上ないぐらい見開いてて。

顎なんて抜けそうやねんけど。


「そんな驚かんでもいいやん。
もう時効やから言っちゃう。
のんの初恋、ともやねんで？」


「え、ほんまに？
ほんまに言うてんの？」


「中高時代のことなんて、
前世みたいなもんやもんっ。
それに淡い初恋やから。
今の気持ちとは違うっていうか」


「ふは。
のんちゃんは流星くんの事になると、
ほんま周りも自分も見えへんなるからな」

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