ローリングコースター４

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ピンチの時ほど、
何故か自分を追い詰めてしまう、

厄介な性格が恨めしい。


朝方に、車で帰って来た流星は、
疲れ切ってたん、分かってたのに。


シャワーから出て来た流星に、つい。


「流星、昨日、どこに泊まってたん？」


なんて、聞いてしまった。


流星の顔色が変わったん、見逃せたら良かったのに。


胸の中、もうパニックで。


責めたりしたらあかん、

冷静に、
穏やかに、

そのワードだけが、ぐるぐる回ってる。


「ごめん。
酔うてもうてさ。
連絡出来へんかった」


「流星、車やったんやろ？」


「まあ、俺は飲んでないねんけど。
周りが盛り上がって。
ほんまごめんな。
連絡したら良かった。
望、ご飯、作ってくれてたんやろ？」


流星、何か隠してる。

動揺してるの、分かるもん。


「それはいいん。
それより、流星、どこに泊まったん？
もしかして、大倉さんち？とか？」


自分でも落ち着いた、
何なら、少し明るめのやったと思う。

言い訳も聞くし、
一回ぐらいの浮気なら。

のんは受け入れる。


・・・悲しいけど、

思い出して、ずっとずっと泣くかもやけど、
仕方ないもん。


流星に惚れちゃったから。


言い訳とか、
謝罪とか、

そういうのが来るって、
思い込んでたから。


「望は平気なんやな」


押し殺したような声が返ってきて、
きょとんとなってもうた。


「え、平気って？」


「平気そうやん。
俺が忠義くんと仕事してても、
毎日遅なっても」


「流星は、大倉さんと毎晩会ってたん？」


「そうやで。
忠義くんに色々相談受けとるねん。
昨夜も忠義くん、酔い潰れてもうてさ。
部屋まで送って、
それで朝になった」


部屋まで送って、
間諸々抜けて、なんでいきなし朝になるのか、

のんには、ちっとも分からへんけど。


ここで怒ったりしたら、
振られちゃうのは分かる。


流星は、のんにも優しいけど、
きっと他の人にも優しいねん。


「そうやったんや。
大倉さん、大丈夫やった？」


そう聞いたら、
流星、苦しそうに唇噛んだ。

どうして？


泣きたいのは、のんの方やのに。


「望にとっては、
俺との関係って、どっか他人事なんやな」

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