ローリングコースター４

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ともの夢。

のんかって、中学の頃から、ずっと応援してきてん。


「のんもそう思うよ。
好きな子の夢は応援したいに決まってる。
とも、流星の事務所受けてみる気ある？」


「流星くんの所属事務所って、あの、最大手の？」


「うん。
流星がとものこと、
チーフマネージャーさんに話してんて。
そしたら、ともの舞台見て気に入って、
採用担当の人に会わせてみてもええって」


「ほんまに？」


ともの手が震え出した。


「乗り気やないならええねんけど」


「乗り気に決まってるやん！
ありがとっ。
物凄いチャンスくれた！」


「そうなん？
ともぐらい才能あるなら、
スカウトとか来そうやのに」


「そんな甘ないよ。
今まで何回オーディション落ちたか。
やっぱりさ、
この世界、運とコネ、
それに何より若さが必要やねん。
もうアラサーやし、
こんな事って百万回に一回あるかないかの幸運やねん」


「そういうもんやねや・・・」


そう言えば、

のんも、
中高の頃は、
梅田で芸能事務所の人に声かけられたりしたけど、

大学入ったあたりからは、
ほぼないかも。

のんは興味ないから面倒くなくて良いねんけど。

高校、大学の時は、
興味半分でモデルやったりもしたけど、

のんは、やっぱり、好きな人のお嫁さんが一番の夢。


「のんちゃん、ありがとう！
流星くんにもお礼言うといて！」


ぎゅっと手を握られた。

のん、重岡さんに恨まれるんかな、

ちらっと頭をよぎったけど。

親友の夢には代えられへん。


それに、ともの言う通り、
重岡さんかって分かってくれると思う。


「うん。
また事務所の方から、
直接ともに連絡してもらうね。
それに、のん、
ともの明後日の公演も楽しみにしてる！」


「ほんま、ありがとおな」


「ともの役、今回は吸血鬼やねやろ？
楽しみ過ぎる」


「のんちゃん、吸血鬼好きなん？」


「ゾクゾクするもん。きゃっ」


「どう繋がって、きゃっ、なんか、
俺には分かれへんかったけど。
楽しみにしててくれて嬉しいわ」


「昔っから、
ともの夢はのんの夢やもん」


「ありがとうな、のんちゃん。
のんちゃんの心配事も杞憂やと思うで？」

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