唐突のサヨナラ ページ4
そう考える間にも父の背中には無数の銃弾が撃ち込まれる。
太「いつか、君を救おうと、ゲホっ、思って、ゴフッ!でも、間に合わ、ゲホっ、」
貴「お父さん!い、いいから喋らないで!ま、まだ助かるかもしれない、ううん、きっと助かる。だから、だからそんな風に!」
なんで、出会って数秒で、こんな、やっと見つけたのに、
太「聞け。」
ハッとして父を見上げる。
太「本当はここで死ぬ気なんて無かったんだけどね、ゲホっ、でも君が来たならもういいかな。ケホッ」
意味がわからない。
今この人は何を言ってる?何を考えてる?
私が来たならいい?どういう事?
マフィアで、いつもは冷静無慈悲と謳われる私でもっても分からない。
貴「私は、どうすればいい?」
そう問うてみることしか出来ない。
太「人を救う側になれ。ヒュッ、君ならなれるさ。うふふ、これ一度言ってみたかったのだよね。ゲホっゲホ!」
貴「何で、わかるの?」
嗚呼、父に喋るなと言っておきながら答えを乞う私は馬鹿なのか。
太「わかるさ、誰よりも分かる。だって私は、
ーーーーA、君の父なのだから。」
何で今更優しくするのだろう。置いていったくせに。
貴「分かった。そうしよう。」
いつのまにか銃撃は消えていた。
それは父の死を表すのだろう。
もう撃たなくても死ぬだろうという、意図なのだろう。
がくり、と父の体が傾いたかと思うとあまり高くないフェンスを越え海へと落ちていく。
太「またね、」
そう言い私の頬に手を当てた。
父の指が離れる一秒前、私の目元の包帯に彼の指が掛かり解けてしまったのは、偶然か必然か。
後ろを振り返って見てもあるのは最初見た巨木とひっそりと佇む一つのお墓だけだった。
全て数分前と同じ。一つ、墓に寄り掛かって座っていた、父の姿を除いては。
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lease - エー◯ールが、wrwrd!にしか見えない…これは重症だw (2021年7月12日 21時) (レス) id: 9b89cbfb6e (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - ティラミスさん» さすが、太宰親子、滅茶苦茶の無茶苦茶ですね笑笑。親子の会話も途中で、ズッコケだらけですし、滅茶苦茶面白いです♪♪。余談、中也さんの、子供!?はて、幼なじみか?? (2019年9月7日 0時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
ティラミス(プロフ) - ♪逢恋♪さん» わぁ!え、あ、ああ、ありがとうございますぅ!!更新がんばりまっす!! (2018年8月23日 17時) (レス) id: cc157233ce (このIDを非表示/違反報告)
♪逢恋♪ - え、やばいですやばいですやばいですやばいです(語彙量紛失中)めっちゃおもしろいです!ティラミス様の作っている作品全部おもしろいです!頑張って下さい! (2018年8月21日 9時) (レス) id: 24d497695a (このIDを非表示/違反報告)
ティラミス(プロフ) - 姫歌さん» 返信遅くなるかもしれませんがカモンです!!紹介!?わあ!!やったぁ!!禿げるぅ!!← (2018年8月8日 14時) (レス) id: cc157233ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ティラミス | 作成日時:2018年7月6日 23時