【太宰治】この度タイムトラベルして父が生きてる未来を作ることになりました。誰か異議ある人はてぇーあーげてぇー！

出会って数秒で ページ3

ーヨコハマ消滅一週間前ー

本当に些細なこと。

彼が気づかないわけがないような稚拙な犯行。

貴「お…父さん？」

太「A…？」

それは親子の感動の再会のように思われた。

パァンッ！

一発の銃が撃たれるまでは。

太宰治が死ぬ、音が聞こえる前迄は。

其の儘、太宰治が、海に落ちる前迄は。





Asied

私には写真でしか見たことのない、両親がいた。

いや、それには語弊があるか。母の方は何故か塗りつぶされていて顔が殆ど見えなかった。

その点、父の顔がよく見えるというわけでもない。

何故ならば顔の右半分が包帯でぐるぐる巻きだからだ。

だが、それを差し引いても分かるくらいの美形ではあった。



私自身、あまり誇れないような仕事に就いていた。

マフィアだ。

そう、ヨコハマの闇を取り仕切るポートマフィア。

父もここに所属していたらしいが十数年前に辞めたらしい。私を置いて。

母は死んだという。理由は知らない。




今日は休みだった。
マフィアに休みがあるのかだって？
決まってるだろ、自分でつくるんだよ。(ただのサボり)

海が綺麗だなーなんて柄にもないことを考えながら目的もなくブラブラする。

ふと気がつくと其処は墓地だった。何というか、日本っぽくない、外国風の墓地だ。
そういえば此処は抗龍戦争で亡くなった人達の眠るお墓だったっけ？

ふと横に目をやると、巨木の下にひっそり佇むお墓と、それに寄り掛かって座っているひとりの男性。
不思議に思い、近づいてみる。

私の足音に気が付いたのか振り返ると男性。

その男性は私を見た途端目を見開く。

私も多分その男性と同じ顔だろう。

貴「お…父さん？」

何故ならば

太「A…？」

写真の中で何度も見てきた父の顔そのものだったのだから。
父が立ち上がり私に近づいてくる。

太「なんd」

なんで、父の口からはそう溢れる筈だった。

そは言葉がもぎ取られたのは一つの銃声のせい。



撃ち抜かれたのは父。



見ていたのは私。



だが状況は一変する。






銃が乱射され始めたからだ。

貴「あっ！」

気付いた時には銃弾がすぐ其処に。

当たる、そう思った時だった。

太「ぐあっ…っ」

当たったのは父だった。

父が庇うように私を抱きしめ、銃弾を受けた。

端にあるフェンスに私を寄りかからせた。

狙撃者達に背を向けたまま私に話し掛ける。

太「何故、今なんだろうねぇ。ほんと、ゴフッ、」

貴「お父さん！？」

ーーーー父が吐いたのは、血ーーーー

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