言葉のチカラ ページ48
『伝えたいことはさ、言葉にしないと伝わらないよ』
さっきの食事中、
テヒョンがトイレで席を外したときに、ジノさんがいきなりこう言ってきた。
『…どういう――』
『言葉が持つ力って、思っている以上に大きいから』
彼は、ちらりと右隣の空いた席に視線を向ける。
彼が何を言わんとしているのか。
本当は私も分かっている。
テヒョンに勘違いされたらどうしよう――。
さっきからずっとそう思い続けているのはなぜか。
それは一番私が良く分かっている。
「勘違いされたくなかったのはね、
私がテヒョンを好きだからです」
綺麗な夜景と言うシチュエーションに酔ったわけでも、
早く誤解を解きたいから言ったわけでもない。
フラれるとか、付き合うとか、その後のことは何も考えていなかった。
この瞬間私は、ただ純粋にテヒョンにそう伝えたいと心から思った。
当のテヒョンは、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で固まっている。
そうだよね、いきなり過ぎるよね。
「ごめ――」
言い終わないうちに、テヒョンは私の腕を強く引っ張り、
そのまま抱きしめる。
その力は、いつもよりずっとずっと強い。
「…」
彼は何も言わない。
ただただ、ぎゅっと強く抱きしめる。
30秒ほど経ったころだろうか。
「――――――――っっ！
よっかたぁぁ――――！！！！」
第一声は、明るさのなかにも安堵が混じったような声。
「もう会わないとか、ジノ兄さんが好きとか、そういうこと言われるかと思ってた。
あー、ほんとよかった」
抱きしめた腕はそのままで、私の肩に顎をのせながら言う。
誤解やすれ違いと言うのは、きっとこういう風に生まれるんだろうな。
ジノさんの言う通り、言葉にして伝えることの意味は大きい。
「あのさ！」
テヒョンが抱きしめていた腕をほどき、
私の両腕を掴んだまま、まっすぐこちらを見る。
「多分、僕のほうが100倍好きだから！」
少し照れながら、でも彼らしい無邪気で屈託ない笑顔で笑うテヒョン。
私はふと、初めてこの笑顔を見たカロスのカウンターを思い出した。
きっとあのときから、私はテヒョンの笑顔が、そして彼のことが好きだったんだと思う。
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ちかこ(プロフ) - ハル様 ありがとうございます！続編、始まりましたので引き続きよろしくお願いします。デレデレテテ、いいですね〜！ (2016年1月30日 19時) (
レス) id: b539f91093 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 第２部楽しみにしています！！ヌナにデレデレのテテが見たいです！！楽しみです！ (2016年1月23日 2時) (レス) id: a3a9522359 (このIDを非表示/違反報告)
ちかこ(プロフ) - みぃ様 ありがとうございます。この1週間ほど仕事がバタついており全く更新できず申し訳ありませんでした。。劇的な展開も少ないゆる〜りとした話で続きますが、どうぞよろしくお願いいたします。やはりテヒョン続編ですかね〜！ (2016年1月22日 21時) (レス) id: b539f91093 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 更新楽しみにしていました 二人ともすごく可愛くて、これからのSpringもsummerも可愛い二人を楽しみにししています (2016年1月22日 21時) (レス) id: 0f6ae1e55a (このIDを非表示/違反報告)
Robotaxxxx(プロフ) - きむて様 他の方に比べると遅くて本当に恐縮です…大量更新、頑張ります！ (2016年1月4日 15時) (レス) id: 1d1db99c36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちかこ | 作成日時：2015年11月23日 16時
