漢江とキミ（V Side） ページ47
「今日は色々とありがとうございました」
帰り際、僕とAさんはジノ兄さんに頭を下げてお礼を言う。
「誕生日のお祝いもできてよかったよ。じゃぁ、また！」
そういってジノ兄さんは駅の方面に向かっていった。
二人っきりになった僕とAさん。
帰る場所が一緒なので、そりゃそうなるだろうなと思っていたけれど、何をどう切り出していいのか分からなかった。
「…タクシー拾おっか」
最初に話しだしてくれたのはAさん。
「…うん」
僕はこくりとうなずく。
だけど、タクシーに乗ったらすぐに家についてしまう。
心のモヤモヤが晴れないまま、きっと明日になってしまう。
そう思っていると、Aさんのほうから驚きの提案をしてきた。
「テヒョン、やっぱりちょっとだけ川沿い歩かない？」
「え？！」
「ちょっとだけ」
「…うん」
僕たちは、川沿いに向かってゆっくり歩き始めた。
ジノ兄さんとのこと、なんか言われるのかな。
ジノ兄さんが好きだから、もう家には来ないでって言われるのかな。
ネガティブなことしか浮かんでこない。
時間は22時過ぎ。
吐く息は白く、気温もどんどん下がっている。
比例するかのように、僕の気持ちも落ち込んできた。
歩き始めて少しすると、Aさんがおもむろに口を開いた。
「今日、テヒョンが来ること知ってたのに、なにも言わなくてごめんなさい」
声はいつもより小さい。
「言おうと思ったんだけど…
ごめん、ただの言い訳だね」
複雑な気持ちが消えなくて、僕は何も返せなかった。
気が付くと、視界が開き目の前に漢江が広がっていた。
岸の反対側にキラキラと見える江南の夜景。
澄んだ2月の空気が、一つ一つの光を一層綺麗に見せている。
「今日ご飯を食べている間ずっと、
テヒョンに、勘違いされたくないなと思ってた」
Aさんがこちらに体を向け、僕の目をまっすぐ見る。
今日見れなかったAさんの顔。
こうやって目を合わせるのは、なんだか随分久しぶりな気がした。
「勘違いされたくなかったのはね
私が、テヒョンを好きだからです」
風が止んで、周囲の音が消える。
こんな風に時間がぴたりと止まる感覚は、初めてだった。
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ちかこ(プロフ) - ハル様 ありがとうございます！続編、始まりましたので引き続きよろしくお願いします。デレデレテテ、いいですね〜！ (2016年1月30日 19時) (
レス) id: b539f91093 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 第２部楽しみにしています！！ヌナにデレデレのテテが見たいです！！楽しみです！ (2016年1月23日 2時) (レス) id: a3a9522359 (このIDを非表示/違反報告)
ちかこ(プロフ) - みぃ様 ありがとうございます。この1週間ほど仕事がバタついており全く更新できず申し訳ありませんでした。。劇的な展開も少ないゆる〜りとした話で続きますが、どうぞよろしくお願いいたします。やはりテヒョン続編ですかね〜！ (2016年1月22日 21時) (レス) id: b539f91093 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 更新楽しみにしていました 二人ともすごく可愛くて、これからのSpringもsummerも可愛い二人を楽しみにししています (2016年1月22日 21時) (レス) id: 0f6ae1e55a (このIDを非表示/違反報告)
Robotaxxxx(プロフ) - きむて様 他の方に比べると遅くて本当に恐縮です…大量更新、頑張ります！ (2016年1月4日 15時) (レス) id: 1d1db99c36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちかこ | 作成日時：2015年11月23日 16時
