誘惑 ページ32
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いつまでも家を留守にするわけにはいかないよねという話になり、ひとまず蘭ちゃんが待つ家に帰ることに。
｢お〜帰ったか〜。蘭ちゃん寂しかったぞ〜？｣
まるであの日のことはなかったかのようにいつものようにぎゅっと抱きしめられる。
されるがままにされてしまうのは、私の悪い癖だ。
｢…俺、この後仕事で今日は帰らねぇけど大丈夫か？
無理ならボスに頼んで三途あたりに変えてもらうけど。｣
『大丈夫だよ、りんちゃん。ありがとうね。』
どうやらりんちゃんは今日は帰ってこないらしい。
つまり、蘭ちゃんと2人きりだ。
不安はあるが、りんちゃんに負担をかけたくないため笑顔で送り出すことにした。
｢……明日、帰ってきたら返事聞くからな。｣
行ってらっしゃいのキスをし終えたあと、
耳元で囁かれ、顔に熱が集まるのを感じた。
『わ、かった…。』
赤い顔を隠すように、下を向きながら送り出す。
＊
ドアが閉まった直後。
何かに引っ張られ、私の背中はピッタリと壁にくっついていた。
｢なんか、妬けるなぁ〜？｣
そういい私の唇を貪る蘭ちゃん。
『ら、んちゃんは、私の気持ちには応えてくれないじゃない…！』
どうせもうバレているだろう、とやけくそになり思いを吐き出してしまう。
『もう、解放してよ…っ、私だって、愛されたいの…！！』
溢れる涙はそのままに、キッと睨みつけた。
｢そっかぁ。
……んじゃキスもああいう事も、
もう２度と出来ねぇなぁ？｣
唇同士がつきそうなほどの距離で、
私の腰を怪しげに撫でる手に下腹部が疼いてしまうが、理性でそれを制した。
『……しないよ、蘭ちゃんとはもう。』
突き飛ばし、小走りで自室へと向かう。
蘭ちゃんの顔は見れなかった。
顔を見たらきっと揺らいでしまうから。
抱きしめてほしくなってしまうから。
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唯梨(プロフ) - あおさん» コメントありがとうございます！！こんなにずっとしんどいお話を書いたことがなかったので不安もありましたが、そう言っていただけて嬉しいです…っ！新作は打って変わって甘いお話ですのでよろしければそちらも読んでみてくださいね！ (2021年11月8日 20時) (
レス) id: 7ac5652e2e (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - shinox2さん» どう頑張っても誰かを幸せにしてあげることはできませんでした😇いつも読んでくださりありがとうございます！引き続きよろしくお願い致します！！ (2021年11月8日 20時) (レス) id: 7ac5652e2e (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - きりまるさん» コメントありがとうございます！以前から読みにきてくださっていたなんて嬉しいです！！今後とも、よろしくお願い致します♡！ (2021年11月8日 20時) (レス) id: 7ac5652e2e (このIDを非表示/違反報告)
あお - 完結おめでとうございます！✨悲しくて切なくてドキドキしてとても素敵なお話でした。これからも作品を楽しみに読ませて頂きます🙇♀️ (2021年11月8日 18時) (レス) @page39 id: 9f7df60498 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉3人とも幸せになれない結末。確かにしんどいお話でした。次回作も楽しみにしています(*^^*) (2021年11月7日 23時) (レス) @page39 id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唯梨
| 作成日時：2021年10月23日 22時
