共依存【灰谷蘭】【灰谷竜胆】

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六本木のタワーマンションのとある一室。
中から聞こえてくるのは、女の悩ましい声。



そして2人の男の、息遣い。








＊








『私、仕事なんだよ…？』

シャワーを浴び終え、未だにベッドで寝そべっている彼らを睨む。
時刻は午前1時。普段ならとっくに寝ている時間だ。
反社である2人は主に夜から行動するからいいかもしれないが、私の出勤時間は9時だ。
起きてご飯を作って支度をして…を逆算するとあと5時間ほどしか寝られない。
8時間睡眠必須な私はきっと今日の仕事中は睡魔と戦う羽目になるのだろうな。







｢でも、よかっただろ〜？｣


からかうように笑った蘭ちゃんが私の頭を撫で、浴室に向かった。




｢体、ヘーキ？｣


無理させたよな、悪ぃ。
と心配そうに見てくるのは弟のりんちゃん。


さすがに3人では体がしんどい。
やっぱり、1人ずつのがいいかもな。







＊







灰谷兄弟とは一緒に暮らしている。
夜は3人で寝たり、それぞれと寝たり、1人でゆっくり寝たり。



そしてたまに、こういう事をする日もある。









挨拶のようにキスをするし、体の関係もある。

していることは恋人たちと何一つ変わりないのに、私たちは交際関係にない。


だけど、お互いを思う気持ちは強い。
離れ離れになるなら死んだ方がマシだと思うくらいに。









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少し歪んだ関係。
名前をつけるならばそれは、“共依存”


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