狂った人達から監督生を守る

13話 ページ14

ユウside




グ「な…なぁユウ…その……爪の方はどうだ？
だいぶ治ってきたか？」


グリムは私の肩の上で
ジッと絆創膏が貼られた指先をみる


ユ「大丈夫だよグリム、絆創膏変えるときとかに
まぁ…回復はしていたよ」


カリカリと絆創膏の貼られた指を掻く

あの時はジンジンと指の痛みが響く
涙が止まらず、枯れた悲鳴が続いた



グ「…わかんないゾ
誰が本当のエースとデュースなんだ？

今までのアイツ等とあの時のアイツ等
どれが本当のアイツ等なんだ…？」


ユ「わからないよ……多分…
今までもあの時も…どっちも2人なんだ…」



あの日以来私は本当に絶望しかなかった
もしかしたらあの2人以外も


他の人達も狂っているのではないかと思う

いや…狂っているだろう…
トレイ先輩が作ったマフィンの中の針もそうだ


Aさんの様子的に…これは考察だけど…
きっとAさんも受けているに違いない



だから…私を守るって言っていた


そして元の世界に帰すとも言っていた




ちょっと待ってよ

もし…もし私が帰れたとしても…


Aさんと…グリムのそのあと…
どうなるの…？


この学校は異常だ
爪を剥いだ時の場所はハーツラビュル寮

談話室だ


あんなに叫んだら誰かがパニックになったり
こちらに注目するだろう

だが…まるで他の人たちは


「ああ、遊びをやっているんだな」

と言わないばかりか
爪剥ぎのとき、外野の視線は

「うるさいな…」

と言わんばかりの
日常的にありそうな光景だった



そんな学校、私はノコノコと
元の世界に帰り

2人を置いていくっていうの？

グリムなんて、あの時は私が代わりにやったものの…本当はグリムが爪を剥ぐ予定だった


Aさんは2年生だ…もしかしたらもう
既に私達以上に酷い目に遭っているに違いない

もしかして先生もおかしいのでは？

学園長や…他の先生…サムさんも…
エース達のように
狂ったモノを持っているのでは？


もしかして……


グ「お、おいユウ？！」


オンボロ寮を隅から隅まで探索する
もしかしたら見張られたりしていたら？

ずっと誰かに見られていたりして？



ゴ「おいおいどうしたんだい？そんな真っ青な顔で〜。何か探し物か〜い？」


ユ「いや…あの」



もしかしたらゴーストの人達もグルなのでは？
ゴースト達が私たちの行動を観察して


何かしらしたら皆に伝言していたら？


ユ「助けて…助けてAさん…!!」


私はもう 疑心暗鬼に満ちていた

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