ワガママ (ページ41)

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＿＿紫耀

「······ｯ、」

『··········』

息が詰まって声が出ない

遠くで聞こえていた子供たちの声も

鳥のさえずりも何もかも聞こえなくて

ただ、目の前にいるAを見つめている

君も俺の目を見て離さない

その目はゆらゆらと揺れていて動揺しているのがバレバレ

なんで、、、？

せっかく会えたのに、

その動揺が表しているのはきっと、

「······Aｯ、、」

『·········ｯ、』

・・・俺と"会ってしまった"ということ

「マンマ！！」

『·······ｯ、すみません、見てもらっちゃって、』

「······え、ちょ、」

俺の腕にいる女の子をするりと抱こうとするA

そして、まるで初対面の他人のように、、

「···········どういうこと、」

『······』

「········Aの子、、なの、？」

俺の目も見ず、問いかけにも答えず

ただ女の子に微笑みかけるA

なんで、

こんなに会えてたまらなく嬉しいのは

愛おしい声を聞けて嬉しいのは、

「·······俺だけ、かよｯ、、」

『······ｯ、しょ「パーパっ」

「········え、」

『·······ｯｯ、こらｯ、、』

女の子から突然発された言葉

指した指の先は俺だった

Aはさっきと同じ、いや、それ以上に動揺して見えて

・・・目には涙が浮かんでみえた

『·······ご迷惑、お掛けしましたｯ、』

「ちょ、ちょっとまってｯ、！」

急いで背中を向けて去ろうとする

あの頃よりも細く、華奢になった腕を掴んで振り向かせると

Aの頬に堪えきれなかった涙が零れていた

「·······ｯ、やっぱ、Aじゃんｯ、」

『·······ご、ごめｯ、』

零れた涙を拭おうと頬に手を添えた時

？「······A？」

「ばーば！」

『········ｯ、』

「·······お、おかあさんｯ、」

目の先にはAのお母さん、ゆきこさんがいて

今にも泣きそうな程、悲しげに俺たち2人を見ていた

こちらに歩み寄り、Aから女の子を預かると

ゆ「······少し、話しなさい、」

『·······お母さんｯ、』

ゆ「····また、ね？」

Aの肩に手を添えた後、俺に微笑みかけて去っていくゆきこさん

残された俺たちはただお互いを見つめていた

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