私が頑張る意味は…[THERAMPAGE]

Story：22 ページ22

大樹Side



大樹「なんで、笑ってるの？
　 目は全然笑ってないのに……。
　 他になんかあるんじゃない？」


咲良「………。」


できるだけ優しく声をかけたけど

黙り込んでしまう咲良。


でも、俺は性格上

うやむやにするのが嫌いだから

咲良の気持ちなんて知らずに……


大樹「咲良っ…、。
　 お前はもっと頼ることをしろっ。
　 他になにかあるなら話してくれ。」

なんて、知ったような口で

軽く説教じみたことを言っていた。



そしたら……


咲良「…にが、………るの……。」


大樹「え？」


咲良「大樹さんは私じゃないのに！！！
　 なにがわかるっていうの！！！！！！」


大樹「！？」


咲良「……もう出てって。」


大樹「……咲良っ…」


咲良「もう出てって！！！
　 二度と来ないでくださいっっ………
　 ………、他の人にも病院には来るなって
　 言っておいてくださいっ。」


そう言って咲良は

反対側を向いて、布団を深くかぶった。



俺は、もう何かを伝えることはできないから

大樹「……ごめん。」

とだけ言って

病室を出た。






俺は、このあと

何も知らずこんなことを言ったこと、

あのとき何か声をかけることなく

おとなしく病室を出てしまったことを

ひどく後悔することになる。

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