魔人は既に動いている ページ26
「変な絵だね〜〜これなら私にも描けそうだ」
太宰はとある場所に居た。
美術館だ。
一枚の絵を眺めていた。
そこに近付く、高潔な跫音。
その跫音が太宰の横で止まり、ボスッと腰掛ける音が響いた。
「広津さん」
太宰が声を上げる。
「例の件、助かったよ」
「あの程度で善かったのかね？
私は白鯨潜入を樋口君に漏らしただけだよ」
「彼女が知れば、芥川くんにも伝わる
芥川くんが知れば、必ず単身で乗り込んでくる
予想通りだ
…Aにはバレてたけどね」
「…そうまでして芥川君と虎の少年を引き合わせた理由は何かね？」
「…確かめたかった
間もなく来る、“本当の災厄”に備える為にね
奴は既に動いている筈だ」
“奴”とはロシア帽を被り、紅い眼をしたロシア人だ。
「嘗て私が会ったあの“魔人”
奴との闘いは避けられないだろうからね
芥川くんは単独でも十分破壊的だけど、本来は中・後衛で真価を発揮する異能力者だ
敦くんのような速度と
あの魔人と闘う為には、これまで以上に強い力が要る
嘗ての“双黒と双黒妃”を超える新しい力
…それがあの二人です」
そこで広津が声を上げた。
「…菅田主任が行方知らずなのだが、何か知っているかね？」
「…いいや？知らないね、私に連絡は来ていませんよ」
太宰は落ち着いた表情で答えた。
「Aはこれから大きな問題と向き合わなければならない
大変な時期を迎えるだろうね」
「菅田主任を探偵社で引き取る心算は？」
「探偵社員は皆、歓迎している
…後はAの気持ち次第です」
そこで太宰は顔を曇らせた。
「…若しかすると、魔人がAに関わって来るかもしれない
となると、矢張りAの強い想いが必要になってくるだろうね」
広津は太宰のその言葉を聞いて、息を呑んだ。
「……太宰君
君がそれ程までにこのヨコハマを大切に想っているのは何故かね？」
「古い友人に云われたんです」
太宰は笑いの混じった声で云った。
「“どうせなら、人を救う側になれ
その方が幾分か素敵だ”とね」
広津は考えて口を開けた。
「……《天衣無縫》、か…」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
この美術館の絵画。
太宰治の描いた絵画なんですってね！
素敵でエモい………
それをアニメの太宰さんが「変な絵だね、私にも描けそうだ」だなんて、面白いジョークですよね泣
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かなこ - 中也❤愛してるぅ (2021年11月19日 14時) (
レス) @page3 id: 84f9a9af20 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - RENKAさん» 本当ですか！！めっちゃ嬉しいです〜♡ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします♡ (2021年11月7日 14時) (レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 最初から見させていただいてます！読みやすくて面白くて最高です！ (2021年11月7日 1時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - あいでっとさん» コメントありがとうございます！シリーズ3の話がいっぱいになりましたらこちらに移行しますね！もう少しシリーズ3をお楽しみ下さいませ！ (2021年8月23日 17時) (レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
あいでっと(プロフ) - 早く見たい…← (2021年8月23日 17時) (レス) id: 81182bc18e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：myu | 作成日時：2021年8月23日 13時
