“生”を彷徨う迷ヰ犬 ページ23
「良いかい？鏡花ちゃん
君は探偵社の凡てを知らない
自分自身の凡てを知らない
凡てを知ることは誰にも出来ない
それを“可能性”と言うんだ」
Aはあの日の事を思い出した。
約八年前、Aが初めて両親ついて知った日だ。
───逃げちゃ駄目だ
現実から逃げれば、それは
一生の後悔となり得る
自分の愚かさを知り、非力さに失望し、
後悔に打ちひしがれる
でもそれはこれからの“何”となる?───
あの日、そう太宰に云われたのだ。
「君に
でも今、彼は彼にしか出来ない事を命懸けでやってる
この街を守る為にね」
『鏡花』
ずっと口を噤んでいたAが口を開いた。
太宰は少し驚いて横目でAの顔を伺う。
『逃げたら駄目だよ、鏡花
私達がどれだけ多くの人の死の瞬間に立ち会ってきたと思う？
鏡花とは比べ物にならない……何万という単位だ
幾ら自分の本質が人助けに向いていないとしても、殺しという才能が貴女に絡み付いているとしても、逃げるという選択肢は捨て去って欲しい
自分の本当の気持ちに蓋をして、微かに見える光を見て見ないフリをして、自分で自分に嘘を付いて生きれば、貴女は一生闇から抜け出せないよ』
太宰もあの日の自分がAに伝えた言葉を思い出す。
『……私だって、自分が殺しに向いていないこと、人を助ける仕事がしたいことだって凡て判ってる』
Aは声を震わせながら云った。
それを聞いた太宰と鏡花は目を見開く。
『私も逃げようとしてた……
だからさ、鏡花
私と一緒に自分を変えよう？二人一緒なら出来ないことなんて無いでしょ？』
鏡花の頭の中で、昔のAの姿が見えた。
執拗いくらい鏡花に話し掛けてくれたAの姿が。
『私も、自分自身と向き合うから』
太宰は少し顔の筋肉を弛めた。
そして、次は太宰が口を開いた。
「鏡花ちゃん、君が望むなら殺しで生きる道を用意してやってもいい
…けど、君の苦悩は君だけのものじゃない
“成りたいモノと向いているモノが違う時、人は如何すればいい？”
生き方の正解を知りたくて誰もが闘ってる
何を求め闘う？
如何やって生きる？
答えは誰も教えてくれない
我々にあるのは、迷う権利だけだ
溝底に生きる
その言葉を聞いたAは何時になく強い表情を浮かべていた。
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かなこ - 中也❤愛してるぅ (2021年11月19日 14時) (
レス) @page3 id: 84f9a9af20 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - RENKAさん» 本当ですか！！めっちゃ嬉しいです〜♡ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします♡ (2021年11月7日 14時) (レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 最初から見させていただいてます！読みやすくて面白くて最高です！ (2021年11月7日 1時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - あいでっとさん» コメントありがとうございます！シリーズ3の話がいっぱいになりましたらこちらに移行しますね！もう少しシリーズ3をお楽しみ下さいませ！ (2021年8月23日 17時) (レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
あいでっと(プロフ) - 早く見たい…← (2021年8月23日 17時) (レス) id: 81182bc18e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：myu | 作成日時：2021年8月23日 13時
