A5-1.ヤキモチ ページ33
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文化祭のときもそうだったけど、僕はAの思うよりずっとヤキモチ妬きだから。てつやの家にAを呼ぶときも、少しためらったけど、ほら、だってこういうことになるやん。
「ここ抑えるの?」
「そう、抑えながら、こっちのゆびを…」
和室で仲よさそうにギターの練習をする二人。まぁ、ギターなら僕もちょっとは教えられるよ。としみつよりは出来ないけどね。でも、ここで僕教えますからって言ったら嫉妬してるのがバレバレだし。いや、そもそも僕嫉妬なんかしてないし(してる)。ギター教えるなら1000000歩譲るけど、Aの指に触れないでもらってもいいですかね!?
…とはいえず、僕は唐揚げ棒をもぐもぐしながらそれを見ていることしかできなかった。
「…素直に行きゃいいのに」
「何か言った?てっちゃん」
「別になんでもないですよー」
「としみつくんはどれくらいでギターに慣れた?」
「えー、分からんなぁ、でも俺が教えてやってんだからAはもっと早く慣れるべ」
と し み つ く ん 、
や、いままでてつや以外はみんな『さん』呼びだったはずだぞ!?それも、てつやは他のメンバーより早くAに知り合って、ラインするような仲だったから。え、いまとしみつを君付けで呼んだ?そして敬語をやめた!?そういえば僕の誕生日のときも、としみつの入れ知恵でプレゼントを有難く頂いたけども。へ!?僕の知らないところで仲良くなってるぞ!?!?
「虫さん、分かりやすすぎ、」
「なんの話かな?りょうくん」
「強がってるととしみつに取られちゃうよ」
Aが、としみつに。?
いや、そんなことはない、Aは高校生のときから僕にぞっこんだったんだぞ。
…とか言ってられなくなってきた。唐揚げ棒の最期の一つを口でひきぬき、もぐもぐごっくんした後、僕は2人がーー僕にとっての不協和音を奏でている、和室に向かった。
大人の余裕を忘れるな、金澤太紀。
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遥乃。(プロフ) - miさん» いえいえ! 首を長ーくして待ってます! (2018年11月8日 0時) (レス) id: fb9388dbfe (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 遥乃。さん» 優しいお言葉ありがとうございます(T_T)自分のペースで更新していきます〜 (2018年11月7日 9時) (レス) id: 1f8135c296 (このIDを非表示/違反報告)
遥乃。(プロフ) - まぁ、盗作は論外ですが。 (2018年11月6日 1時) (レス) id: fb9388dbfe (このIDを非表示/違反報告)
遥乃。(プロフ) - miさん» 遅れるも何も、好きな小説を好きな時に好きなように書くサイトなんですから、気にしちゃダメですよーw 実際の小説家たちみたいに締め切り日があるわけでもないし。 (2018年11月6日 1時) (レス) id: fb9388dbfe (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 遥乃。さん» 遅れて本当にごめんなさい!待っててくださると嬉しいです〜〜!! (2018年11月4日 21時) (レス) id: 1f8135c296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未詞 | 作成日時:2018年6月25日 16時