Q11.指導しましょうか? ページ11
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秋もそろそろ終わりかけの時期となり、教育実習生さんも無事に大学へ帰っていった。お別れの挨拶のときも、金澤先生といつも一緒だったことを冷やかされていたけど、先生はわたしのことがすきだって分かってたから我慢できた。
「そんな妬いてたんだね、A」
先生と出会った春から、少し変わったことといえば、朝の数学準備室での密会をやめて、放課後に図書室近くの踊り場で会うようになったことだ。先生は漫画研究会の顧問をしてるけど、顔は出さず顧問としての仕事は特にやっていない。でも、いる意味もないし、わたしといるほうが有意義だって言ってた。朝の職員会議が生徒たちの進路系のことで長引くようになり、放課後会う方が都合がつきやすくなったのだ。
慣れた様子で階段の一番上にふたりで腰掛ける。何回かほかの先生に見つかったこともあるけど、幸い大ごとにはなっていないようだ。金澤先生は誤魔化すのがうまいらしい。
「そういえば、バイトはいつ辞めんの」
「んー、卒業ギリギリまでやる」
「堂々としてんなぁ。先生に隠れてアルバイトする子は指導だよ」
「金澤先生はふつうの先生じゃないもん」
わたしがそうやって笑うと、壁際に座るわたしを抑え込むかのように、先生が壁に手を添えた。所謂壁ドンの体勢になって、金澤先生は真面目な顔をしてわたしとの距離を詰めた。
「俺、Aに対して普通の先生じゃないなら、普通の指導できないけど。いいの?」
先生は、囁くようにそう言った。わたしもすこし真面目な顔をして問う。
「普通じゃない指導って、なに?」
「Aが嫌がることかもよ」
「ううん、先生になら何されてもいいよ」
ドキドキが止まらなくて、この後何されるのか考えたら身体が熱くなった。でも、先生は自分が作った雰囲気を壊すように、また冗談っぽく笑うのだ。
「そんなに先生のことすきなんだ」
「うん。先生は?」
「先生は、卒業したら言う〜」
ふざけんな、って先生の肩を叩くようにしてさりげなく触れる。先程感じとった先生の男の部分を、体の奥で求めてしまう自分にもどかしさが残った。
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遥乃。(プロフ) - miさん» いえいえ! 首を長ーくして待ってます! (2018年11月8日 0時) (レス) id: fb9388dbfe (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 遥乃。さん» 優しいお言葉ありがとうございます(T_T)自分のペースで更新していきます〜 (2018年11月7日 9時) (レス) id: 1f8135c296 (このIDを非表示/違反報告)
遥乃。(プロフ) - まぁ、盗作は論外ですが。 (2018年11月6日 1時) (レス) id: fb9388dbfe (このIDを非表示/違反報告)
遥乃。(プロフ) - miさん» 遅れるも何も、好きな小説を好きな時に好きなように書くサイトなんですから、気にしちゃダメですよーw 実際の小説家たちみたいに締め切り日があるわけでもないし。 (2018年11月6日 1時) (レス) id: fb9388dbfe (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 遥乃。さん» 遅れて本当にごめんなさい!待っててくださると嬉しいです〜〜!! (2018年11月4日 21時) (レス) id: 1f8135c296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未詞 | 作成日時:2018年6月25日 16時