coming-out (ページ9)

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Sota side

いつもとびっきりの笑顔で笑ってくれて。

彼女が飼いたいって言って飼い出した、大型のゴールデンレトリバー。

ソウって名付けてずっとそうちゃんそうちゃんって。

たまに俺のこともそうちゃんって呼んでて。

飛びつくと、『うちには大型犬2匹いるね』ってクシャって笑って。

好きな子には可愛いよりかっこいいって言われたいけど、彼女に可愛いって言われるのはなんか許せちゃう

『ねぇ、湧くんの彼女と明日遊ぶんだけどさ

そうちゃん連れてっていい？？』

颯太『おれぇ⁈』

『違うよこっち！笑』

犬のソウを抱きしめながら笑う彼女が愛おしくて愛おしくてたまらなかった。

重すぎるかもしれない。

でも彼女は俺の全てだった。

生きる理由だった。

朝起きて、おはようを言い合って。

お互いの寝癖を笑い合って、横に並んで歯磨きをして。

一緒に朝ごはんを食べて、一緒に洗い物して。

ソウを抱きしめながら行ってらっしゃいを言ってくれる。

そんな何気ない毎日が幸せだったんだ。

あの日まではー

あの日家に帰ると彼女がいなかった。

そういえば湧の彼女と出かけるとか言ってたっけ

湧の彼女とすっごい仲いいから週に一回は絶対会ってた。

ソウに餌をあげて、彼女に駅着く時間わかったら教えてねってLINEをいれて。

ソウとゆっくりソファでテレビを見て待っていた。

一向に帰ってこない返信。どうしたんだろってソワソワしてたら携帯が鳴った。

彼女かと思って大急ぎで出たら知らないやつの声だった。

悪寒が走り、急いでコンテナに向かうと

そこには、さっきまで一緒に踊ってたメンバーが。

檜山が来て、みんなで扉を開けた。

そこは真っ暗で、でも少しだけ血の匂いがした。

湧にしがみついて進むと足元から水のような音が聞こえ見たが水じゃない、、

血だ！！

大声を出してみんなを止めて、豊田くんがライトをつけてくれた。

俺はその瞬間走った。

倒れている湧の彼女の下から見えた見慣れた彼女のワンピース。

いつもの真っ白のワンピースが血で真っ赤になっていた。

でも微かに息をしてる。

お願い生きて、生きてくれなきゃ困るんだ。

俺の生きがいは彼女だけなんだから。

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