coming-out (ページ15)

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Sota side

あの日からしばらくの間、8人は事件のことを口に出すことはなかった。

8人の女の子が倒れていたあの現場を思い出すだけで、

食べていたものを全て戻してしまう、

そんな生活が続いていた

何度呼びかけても、何度手を握っても彼女が握り返すことなんてなくて。

ただひたすらに名前を呼び続け、手を握るだけ。

それしかできない自分達が憎かった。

ある日、いつものように朝早くに彼女の部屋に向かった

いつも1番にきて1番最後に帰っていたのに、

なぜか今日は先客がいる。

?『いつになったら目を覚ますのかなぁ、、

フフッ、ちゃんと逃げないでね』

全身に鳥肌が立ち、この人が彼女たちを傷つけたんじゃないか、

一瞬でそう思った。

だけど、今の俺には一人でその人に会う勇気はなかった。

止まらなくなってしまうから、

一人で暴れてしまう。

今の俺じゃ自分の力をコントロールできない。

湧、湧！！！

気づいたら湧に電話をかけて病院の出口に向かっていた。

いつも毎朝、小さい子のお世話があるのに、湧が心配だからって車で一緒に来てくれる。

湧『どした、なんかあったか⁈』

『わく、わく！！！多分多分だけど、犯人がいる、

俺の彼女の病室に、、

もう出てくるかもしれない、、

ちゃんと逃げないでねっていってた、、

笑ってた、、

俺一人で突入したら暴れちゃう気がして、

彼女の前でそんなことできなかった。』

湧『声に聞き覚えは？？全員で揃ってる時に潰しにかかる、颯太ごめん、今は我慢だ』

『あるんだけど、思い出せないんだ。

多分だけど少し変声機を使ってた』

あの日からまた彼女たちの前にそいつが現れることはなかった。

もがいてもがいてもがいても、

犯人に近づく手がかりが一切見つからないんだ。

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