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「一度連絡取ってみたらええやん!ちょっとふっかさんに聞いてみるわ!」
はてなを増やした私を気にせず、向井さんは誰かにメッセージを送っている。
「わ!す〜ぐ返ってきたわ!」
そう笑いながら「あ、Aさん今携帯ある?ちょっとLINE開いて〜」と私の携帯を少しいじったかと思うと
「はい、これ俺のLINE。そんでもって今送ったんがふっかさんの連絡先」
そう言って渡されると、友だちの欄に向井さんの名前があってトークには深澤さんの連絡先があった。
元々深澤さんの連絡先は知っていたけれど、向井さんの連絡先も入ってる…?!
『え、あ、これ』
「ええのええの、後でふっかさんに連絡してみてな。すぐ返ってきたってことは今暇してるんやと思うし」
いやそうじゃなくて私が驚いているのは向井さんの連絡先があるってことで…
「いや〜なんや楽しくなってきたわあ。俺、いつでも相談乗るからなんかあったら言ってな!」
ひらひら携帯を振りながら去っていく向井さん。その後ろ姿を呆然とみている私。
そして鳴り響く通知音
【ね、康二すーぐ動いたでしょ❗わら】
深澤さんのしてやったり顔が浮かんで思わず手で払いのける仕草をしてしまった。
そこから深澤さんとはちょこちょこ連絡するようになった。
何気ないことだったり、不意に朝から【おはよう〜】とくることもあった。
頻度もまちまち。毎日とかではなくて2日続くこともあれば3、4日空くこともあった。
でもあまり細めじゃない私に取ってはちょうど良い距離感だった。
一回だけ電話したことがあった。お互いその日は午後からお休み【時間少しあるなら電話する❓Aさんが良ければ❗】と来て、特に断る理由もなくかかってきた電話に出る。
そういえばいつの間にか名前呼びになって「康二が名前で呼んでるように俺もAちゃんて呼んでいい?」といつか言われた気がするけれど、会話の途中だったから全然覚えていない。深澤さんは本当に自然にことを運ぶのが上手だと思う。
「もしもし〜?」
電話に出た声はあの焼き鳥屋さんで会った以来で、あの少し間延びしたような優しい声が受話器から聞こえる。
「今は仕事どう〜?」
『相変わらずドラマと映画の梯子ですね〜』
「そっか〜忙しいねえ。そういえば…」
ここからいつものように他愛もない話になる。自分から話すっていうのはあまり得意じゃないから、ここまでぽんぽんと話が出てくる深澤さんはさすがだなぁと思う。
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作者名:ta | 作成日時:2021年10月24日 22時