心の支えと極限値 ページ50
カルマサイド
極限、優真はそう言うけど、
俺にはこの状態のAが一体何なのか、
未だにわかってはいない。
ただ、自分でも個性の発動を止められない、
との事で、殺せんせーが殺気を断つか、
俺が安心させるしか方法はなかった。
でも俺の足も、Aのターゲットを見て1回止まった。
赤羽｢鷹岡……！！｣
その声に反応したのはE組メンバー全員だった。
当たり前だ、こいつは渚が仕留めて、
防衛省がテロリストとして拘束していたはず。
それでもAが殺人犯になる前に止めなきゃ。
｢たす、けて……！｣
涙を浮かべながら、鷹岡を殺すAはいつも以上に苦しそうだ。
赤羽｢A、A。｣
俺は、Aを後ろから抱きしめる。
赤羽｢A、もう大丈夫。俺が来た。｣
｢こいつを殺す！コロス！！｣
弱いAと強いAがAの中で喧嘩して、
弱いAは殺気に満ち溢れてるけど、
強いAは俺の助けを待っている。
｢かっくん……！｣
赤羽｢A、帰ってこい。｣
一筋、Aの頬を涙が流れ、
それが地面に落ちた瞬間、糸が切れたように
Aは意識を失いかけ、倒れかかってきた。
俺が止めたことで反動として起こる、個性の発動限界。
赤羽｢A、大丈夫だよ。｣
｢あり、がと……。やっぱ、り、かっ、くんはヒーローだ、ね……。｣
ふわりと笑って、ガックリと意識を手放したAを姫抱きにし、
優真たちヴィランと戦っている本陣に合流する。
優真｢……カルマ、か？｣
優真の目は灰色に染っていて、彼も個性の発動限界を迎えたことを悟る。
赤羽｢あぁ。大丈夫？｣
優真｢俺の個性の限界は回復も早い。問題ない。｣
赤羽｢そう。Aも発動限界で意識失ってる。｣
優真｢悪かったな、毎度。｣
赤羽｢ううん、もう俺しか止められないからさ。｣
それに、俺は極限のAを止めるのに恐怖ない。
他の誰かが近づけば、そいつも攻撃の的になるけど、
俺が近づいても、Aは絶対に攻撃しない。
だから、俺は迷いなく近づいていく。
優真｢……ありがとう。｣
赤羽｢……優真も休めよ。｣
優真｢俺の彼女がまだ、戦ってるんでね。｣
速水ちゃんの方に顔を向ける優真は、
誰よりも優しく見えた。
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mimi(プロフ) - 菊理さん» ありがとうございます！亀更新ですが、応援してやってください！！ (2020年6月17日 0時) (
レス) id: 2c599fbfeb (このIDを非表示/違反報告)
菊理 - とっても面白いです！更新頑張ってください！応援してます!! (2020年6月16日 18時) (レス) id: c405051fd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mimi | 作成日時：2020年5月14日 21時
