そして天才は感情を乱した ページ9
不破side
「ふうん……で、三郎は先輩のことが良く分からない、と」
「ああ、そうなんだ……」
自信に満ちていた筈の天才、鉢屋三郎が珍しく落ち込んでいた。
どうかしたのかと問えば、まさかの色恋沙汰。
天才でも忍びの三禁を破ることがあるのだな、なんて今更考えながら話を聞くと、それはもう恋物語のようだった。
主人公は想い人と結婚し、幸せに暮らす。
そんな、幸せな物語。
正直言って、和泉宮先輩も三郎のことを好いているように思う。
今考えれば、の話だが、兵助を愛でているときも、その意識は三郎に向いていた。
三郎が弱々しく微笑めばどうかしたのかと心配し、嬉しそうに笑えば先輩も嬉しそうにする。
これを恋と呼ばずしてなんと呼ぶのか。
「なあ、雷蔵…………。先輩のこと、どう思う?」
「どうって、」
悩み癖は発動しなかった。
「三郎は心配しなくても良いと思うなぁ」
流れに身を任せ、自分の思うように歩けば、彼は幸せになる。
だって彼は忍術学園の誇る天才だ。
愛しい人に感情を揺らす天才に、和泉宮先輩も、きっと目を奪われているはずだから。
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れん☆(プロフ) - 最高すぎます!更新お待ちしております! (2018年8月17日 14時) (レス) id: cc4c4ce5e8 (このIDを非表示/違反報告)
慶(プロフ) - このお話好きです!更新待ってます! (2017年9月30日 3時) (レス) id: 4c9e552342 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫希 | 作成日時:2017年6月8日 16時