想い人のお気に入り ページ2
私、鉢屋三郎には想い人がいる。
名を和泉宮A。
6年い組の先輩だ。
揺れる長い髪と、凛としたその顔に目を奪われて、もうどれ程になるだろうか。
少なくとも、桜が2回は咲き誇り、2回は散っただろう。
それだけ長く見ていると、和泉宮先輩についていろいろ知ったことが多い。
例えば、私より背が高い、だとか。
美しいものがお好きだとか。
……私の大切な友人である、久々知兵助がお気に入りのようだ、とか。
目頭がじわりと熱くなった。
いやいや、別に、和泉宮先輩が兵助のことを好いているという訳では無いのだ。
ただ、他の人よりスキンシップが多くなる、とか、褒めることが多くなるとか、兵助のことを気に入っているであろうふしが見えるだけ。
…………まあ、ほぼ確実に気に入っているのだろうが。
同じろ組の不破雷蔵がいない今、私は自室で、一粒だけ、涙を流した。
私はどうすれば良いのだろう。
兵助のことを気に入っているという事実を知っても、この想いは萎えることを知らない。
先輩のことを考えるだけで、胸が締め付けられて、どうしようもなく痛くなる。
どうやら、好きという気持ちは消えてはくれないらしい。
ならばどうするべきか。
この気持ちは捨てず、押し殺し、先輩の幸せを願おう。
「……感情が捨てきれないなんて、私はまだまだだなぁ……」
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れん☆(プロフ) - 最高すぎます!更新お待ちしております! (2018年8月17日 14時) (レス) id: cc4c4ce5e8 (このIDを非表示/違反報告)
慶(プロフ) - このお話好きです!更新待ってます! (2017年9月30日 3時) (レス) id: 4c9e552342 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫希 | 作成日時:2017年6月8日 16時