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「あなたたちを許したら、わたし、何を憎んで生きればいいの。何を恨んで死んでゆけばいいの。だって知らない、知らないもの、今更綺麗な生き方なんて！どうして誰もわたしに教えてくれなかったの、」
「あなたたち魔法族を嫌う側にだって、理由はあるでしょう。だからあまり、あの子たちがあなたたちに嫌悪を抱いてしまうことを責めないで。それはそれとして、とりあえずわたしはあなたたちが嫌いです。……あらかじめ伝えておいた方が幾分関わりやすいのではないかしら」
「───────姉は、強いのです」
【生い立ち】
かつては一般的な子供たちと同じように、平凡な家庭で両親に愛されて育った。しかし3歳頃両親が事故で亡くなる。両親は駆け落ち同然で親類とは皆縁を切っており、身寄りのなかった彼女は母が生前関わりがあったという神聖こども会へ引き取られることとなった。
幼い頃から妙に達観しており面倒見も良かったことから、こども会では多くの子供たちから姉のように、時には母のようにさえ慕われていたようだ。
時は進んで彼女が18歳の頃。養子に出ることが決まった。街中で困っていた資産家の婦人を助けたところ、レオノーラの行動に非常に感動したとのことで、彼女が孤児であることを知るや否やレオノーラを引き取りたいと申し出た、というのが経緯。家族を残し孤児院を出るのは不安だったが、近いうちに騎士団に入団するためすぐ会えるからと離れることにした。
しかし不幸なことに、それからすぐに養親もがこの世を去った。こども会の職員からは、人間界に住まう魔法族による犯行であったようだよ、と聞かされた。残ったのは歳の離れた義兄ただ1人。レオノーラは現在も密かにその犯人を探しているようだ。ただ、どうして、と問いたくて。
【魔法界・魔法族のことをどう思うか】
そもそも神秘自体を好ましく思っていないので、当然魔法界・魔法族も無条件に嫌っている。それ以外の大きな要因として養親が魔法族に殺害されたことも含まれており、凶器として使われたものが魔法であったために、魔法そのものやそれを行使する魔法族に嫌悪を抱かずにはいられない。頭では「偏見が過ぎる」と分かっているものの、心がそれに追いついていない。
「神の最大の過ちは、きっとあれらに行き過ぎた神秘なんてものを与えたことでしょう。魔法などと余計な攻撃手段を持ち、わたしたち魔法を持たぬ人間に対し優位的思考を抱えている。……そう思わずにはいられません。……まあ、偏見、ですけれど」
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作者名：疫病 | 作成日時：2022年5月5日 18時
