もっと頼ってよ、3

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陸side

「…俺は、壱馬の意思を尊重したいです、」

「みんなで、話し合って、壱馬にも相談してみます」

「本当にこれは、1人の人生がかかってる。本人も、周りの皆さんも、後悔しない決断をして下さいね。」

グループに、一言、言葉を打ち込んだ。

「今日のミーティングで、俺から話したいことがあります」

シェアハウスをしている俺らは、会議や話し合いをするのなんて簡単なことで、すぐにできる。

だけど、事前に知っててもらいたいから。


LIKIYA「じゃあ、今日のミーティングは以上。で、陸？話って？」

陸「今日、田村先生から、壱馬が相談してきたって聞いたんです。壱馬は、もう辛いのは嫌だと、辛い思いして長く生きるのなら、短くても最後はステージに立ちたいと。そう田村先生に相談したそうです。俺は、壱馬の意思を尊重したいです。だけど、壱馬の命の有無は、俺だけで決めては行けない。ファンの皆様や、俺たちでも決めていかなければいけない。そう思ったので、皆さんは、どう思いますか？」

慎「…僕も、陸さんと同じ意見です。僕も、壱馬さんの意志を尊重したいです。最期、壱馬さんと、一緒の舞台に立ちたいです。一緒の舞台で、精一杯楽しんで、精一杯のパフォーマンスを皆さんに見て頂きたい。それが僕の意見です。」

樹「俺も、壱馬さんの意思を尊重したいです。ファンの皆さんも、俺らも、少なからず長く生きてもらいたい。そんな気持ちはあると思います。でも、壱馬さんの人生だから。壱馬さんの人生は、あれで終わっちゃ壱馬さんじゃないから。ステージ立ってる、かっこいい壱馬さんが、本当の壱馬さんだから。本当の壱馬さんでいられるように、俺らがサポートしてあげたいです。」

陣「俺も、壱馬の意思を尊重したいかな。壱馬は今まで、いっぱい辛い思いしたから。俺らが見てるだけで苦しくなるのに、本人は絶対もっと苦しかったから。それやったら、壱馬が望むんなら尚更、俺は壱馬の意思を尊重する。」

みんな涙ぐんでそれぞれの意見を言ってくれる。

みんな、壱馬の意思を尊重したい。そう言っている。

壱馬の最期が早くなることよりも、きっと俺たちは、壱馬が弱ったままの姿で最後を迎えることの方が怖いんだと思う。

16人もの人数をまとめ上げて、センターとなって、中心で胸張って堂々と歌う壱馬の大きな背中を見てきたから。

みんなで涙を流しながら、円陣を組んだ。

思いはひとつ、

「16人で、ドームに立つ。」

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