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白血病 ページ2

陸side

「壱馬ー来たよーって、壱馬!?」

壱馬「はぁはぁ、おえっ、げぇっ…うぅっ…」

「辛いね、出せるだけ出しちゃいなね。ゆっくりでいいからね、頑張れ、」

抗がん剤治療真っ只中の壱馬は、毎日このように、副作用で戻したり、熱を出したりして、毎日が辛そう。

頑張れ、辛いね、大丈夫だよ、

そんな責任の無い言葉ばかりを連ねる日々は、こちらとしても苦しいものがあって。

それでも落ち着いている時は、

「早く治して、また歌いますから、こんなのどうってことないですよ笑」

なんて笑顔を見せてくれる。

俺たちよりも、壱馬の方がずっと前向きに考えられていて、やっぱり壱馬はすごいな、なんて年上ながらに思う。

だけど、すっかり変わってしまった壱馬の姿はやっぱり痛々しい。

すっかり痩せこけて、髪の毛も抜け落ちた。

数ヶ月前ならありえない光景だったんだ。

突然、幸せはがたがたと崩れ落ちて行った。

「よしよし、辛かったね。疲れたね、寝ちゃいな?」

強制的にさっきまで頭の中を巡っていたことを全てシャットアウトした。

支えていた背中をゆっくりと離し、壱馬をベッドに寝かせ、リクライニングを倒して、お腹あたりを優しくあやす様に撫でてやる。

さっきまで辛くて、生理的な涙を浮かべるほどまでに苦しそうだった表情は嘘のように和らぎ、気持ちよさそうに眠りの世界へと入っていった。

「壱馬…」

細くなった手をそっと握る。

「青山さん、少し、お時間ありますか?」

優しい声でそう尋ねる壱馬の担当医の田村先生。

「はい、ありますよ。」

「では、壱馬くんも寝ていることですし、部屋を移しましょうか。」

そう言われ、ドラマなんかでよく見る、あの小さな診察室へとやってきた。

いい予感など、全くしない。

「壱馬くんから、相談を受けました。もう苦しい思いはしたくないと。これなら長く生きなくてもいいと。短くなってもいいから、最後はステージに立ちたいと。最後は、歌って終わりたい、それが俺の人生の証なんだって、たくさんの中から選ばれたんだから、最後は俺が1番したいことで終わりたいんだ、と。」

「…」

何も言えなかった。壱馬の気持ちも分かる。俺だってベットで最期を迎えるより、ステージで、キラキラした俺で終わりたい。

だけど、壱馬に長く生きてもらいたい。

その思いも少なからずある。

この思いは、きっと苦しさを知らないから言えるんだろうな、俺は、なんて無責任なんだろうか。

・→←はじめに。



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AiRI(プロフ) - 続き楽しみにしています! (2021年3月22日 18時) (レス) id: affa3a9ed3 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - 更新頑張ってください!応援しています! (2021年3月10日 23時) (レス) id: b13bef8956 (このIDを非表示/違反報告)
ユオ - 続き楽しみしてます待ってます (2020年11月28日 15時) (レス) id: 1c96882bec (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - Kk さん» こちらのアカウントから失礼いたします。ありがとうございます!なるべく早く戻れるように頑張りますので気長にお待ちいただけたらと思います(>_<) (2020年6月13日 2時) (レス) id: 881646b88b (このIDを非表示/違反報告)
Kk - 無理せず自分のペースで頑張ってくださいね!更新楽しみにしています! (2020年6月12日 23時) (レス) id: b13bef8956 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Alice | 作成日時:2020年4月26日 0時

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