黒衣の獣 ページ6
その後も芥川は、僕を１回だけ鋭すぎるほどに睨みつけただけだった。
飼い慣らされた猫…いや、猛獣か。
Aさんしか眼中にないという様子だ。
「Aさん、そこに糸くずがついています。僕が…」
「えっそーお？敦くん、そこの包帯とって」
「は、はい」
一応怪我人だから、とAさんは芥川の手当を始める。(芥川の幸せオーラはカンスト済み)
用心棒の僕は、見事に助手として精を出していた。足は今にも子鹿のように震えだしそうだが。
芥川はAさんに限界まで近づいて治療を受けているので、彼女に近寄れば当然芥川とも近づく事になる。ちらりと奴を盗みみれば、じっくり見ずともその怪我が酷いものであると分かった。
よくもまあ、あの怪我で幸せそうな顔をできるものだ、と内心呆れる。
そして探偵社内で怪我をした時の事を想像し、少し身震いした。
一方のAさんは、顔色ひとつ変えずに手当をしていく。芥川の愛の言葉を右から左に。相づちがかなり適当なのは慣れだろう。
「Aさん」
「うん？」
「変な輩に絡まれていないですか、患者が暴れませんでしたか、以前のように暴力団のボスが乗り込んで来たりしませんでしたか」
「うーん、そうだね〜」
芥川は、彼女を見つめて一方的に話しかける。
流れるような作業の邪魔をしているようにも見えるが、彼女の動きを妨害することなく動いているのに気付いてしまった。
……それにしても、芥川はなぜ彼女にここまで心酔しるんだ？
そりゃあAさんは一生に一度会えるか分からないほど綺麗なひとだ。
だが、幾度も殺しあった僕からすれば、あの悪魔のような男が、美しさだけに魅了されてここまで変わるとは到底思えなかった。
何か絶対に理由があるはずだ。
芥川が、太宰さんにだけは従順なように、なにか。
彼女が太宰さんに似ているからか？とも考えたが、なんとなくくだらないような気がして、それ以上はやめた。
___
ちょっと真面目な前置きおわりです。ヤンデレコメディ開幕(予定)
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白瀬(プロフ) - 皐月さん» ありがとうございます！不定期更新ですが、どうぞよろしくお願いします…！ (2019年7月25日 23時) (
レス) id: 00ae9e57de (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - はじめまして！続きを楽しみしています！ (2019年7月25日 22時) (レス) id: 6d688681c6 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - まなむさん» 愛の告白ありがとうございます！その言葉でがんばれます。。 (2019年7月22日 23時) (レス) id: 00ae9e57de (このIDを非表示/違反報告)
まなむ(プロフ) - 初めまして！！あの！好きです！！楽しみにしてます^^ (2019年7月22日 22時) (レス) id: d6b2dcb6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白瀬 | 作成日時：2019年7月13日 23時
