赤葦京治誕生祭2020《3》完 ページ15
赤葦side
風邪のせいか、少し掠れた彼女の声を聞いて心が痛くなる
自意識過剰かもしれないが、何日も前から俺の誕生日の準備をしてくれていたことは知っている
この前、欲しいものとかタイムリーなこと聞いてきたし
Aさんのカバンから “アカーシ誕生日計画！！” とデカデカと書かれたノートを発見したし
最近やたら部活後に家庭科室に行くのを見かけるし、戻ってくると口元に生クリームついてるし…
本当にサプライズする気あるのかって聞きたいくらいだけど
俺はその準備してくれてた事実だけで本当に満足なんですよ
赤葦「……先輩、やっぱり玄関開けてもらっていいですか。」
A「え？い、今行く…」
本当はAさんの顔を見てすぐに帰る予定だったのに
A「ん、アカ……っ！？」
玄関から控えめに出てきたAさんを、たまらず抱きしめてしまった
A「あ、かーし…風邪うつっちゃう…！」
彼女は身をよじって逃げようとしていたが、俺がギュッと抱きしめる腕に力を入れると大人しくなった
そして、熱のせいか罪悪感からか、今にも溢れそうなほど涙をためていた
A「やっぱりアカーシ悲しそうな顔してる……私が熱出してみんなでお祝いできなかったから…？」
赤葦「違いますよ。……でも、悲しいのは当たってます。何だと思います？」
A「……分からないよっ…」
頭を撫でながら優しく聞いたつもりだったが、泣き出してしまった彼女に笑いをこぼす
赤葦「……まだ、今日Aさんから何も言われてないんです俺、シクシク。」
俺がわざとらしく泣きマネをすれば、Aさんはびっくりしたようで、
しばらくして困ったように笑ってくれた
そして、彼女は少し俺から身体を離した
A「ふふっ……わかった、しゃがんで？」
赤葦「っ……」
そんな彼女の笑顔に胸が高鳴ったのは、気づかないフリをする
そして、次の言葉を待った
“ 生まれてきてくれて、ありがとう。赤葦 ”
小さく耳元で囁かれた声に愛しさを感じて、今まで寒かった背中に華奢な腕が回された
そのぬくもりが愛しくて、しばらく離せなかった
次の日元気になったAさんが、バースデーおにごっこをやろう！と言い出したのは……
ふふ、言うまでもないか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
うわぁぁぁ！大遅刻だ！ごめんなさい！！
本当におめでとうアカーシ！！！
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はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (9月15日 10時) (
レス) @page47 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 二年ぶりに見たらめちゃくちゃヤバい。尊いなんてものじゃない…これは神だ (8月4日 5時) (レス) @page46 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 1話1話の内容が読み応え(濃くて)があって、読んでいると時間を忘れる作品でした！更新頑張ってください（ｹﾗｯ (2021年8月13日 0時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ(プロフ) - 続きを！！！！！！ めっちゃ好きです！！ (2021年5月30日 21時) (レス) id: fc15dafcd2 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 凄く面白いですよ！シリアスと朝比奈ちゃんの無邪気なところの切り替えが、凄く好きです。更新、辞めないで欲しいです。 (2021年2月8日 18時) (レス) id: 4a6264c39b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りかこ x他1人 | 作成日時：2020年8月29日 19時
