進むための笑顔 ページ14
体が重いなんていつぶりの感覚だろうな…
クルーウェルの届けてくれたカフェオレを飲み、そんなことを考えながら
俺は水中でも使える様にしたスマホを弄る
普段なら保健医の仕事があるのだが、体への負担を考慮してか今日は久々の休みだ
俺にとって保健医の仕事というのは生き方でもあり
久しく休みなんて取っていなかったことから休み方というものを忘れてしまっている
要するに暇なのだ
さて、やる事が無くなったな、と宙を仰いでいたその時
コンコン、と2度部屋の扉が叩かれた後にゆっくりと開かれる
扉の隙間からこちらを覗いた怯えるような表情を浮かべるその人物に
俺は思わず薄ら笑いを零した
『〈久しぶり、って程でもないな。今はまだ授業中のはずだが……何しに来たんだ？ユウ〉』
「……っ…」
水槽から身を乗り出してそう話しかけた相手は、俺を対価に契約した張本人、ユウである
彼は心底気まずそうに、そして焦りを誤魔化すように手を意味もなく動かし
視線をキョロキョロと動かしては言葉になる前に声を発することを辞めてしまう
ここまで来るともはやいじり倒したくなるレベルだ
「あ…の、その………謝りたくて……」
『〈やっとまともに喋ったな〉』
「……えと、あの…Aさんの事…」
『〈あのなぁユウ、お前俺が怒ったら何してるか知ってるだろう？〉』
「え…、あぁ……はい」
『〈だったら、今俺に言うべきことはなんだと思う？俺を対価に契約した事に対する謝罪か？〉』
真っ直ぐにユウの瞳を見つめそう諭せば、ユウは驚きをその目に映す
そしてしばらく考える素振りをみせた後、彼は決意が固まったのか
少しばかり深い呼吸をしてから口を開く
「僕、絶対にAさんをアズール先輩のモノにしたりしません！契約の条件も必ず達成します！だから、どうか僕を待っててください……！」
『〈う〜ん、60点〉』
「えぇ？！い、今のが、ですか？」
『〈カッコつけるのは良いが、堂々とし過ぎるのもダメだ、俺を口説くにはまだまだ青いな〉』
そうユウを茶化していれば、部屋に来た時の彼の顔よりも明るい顔をしたユウが
俺の視界に写っているのに気がつく
やっぱりこいつはこれくらい笑ってる方がいいな、なんて考えを浮かばせながら
俺は頬の力を緩めた
『〈あ、でも許した訳じゃないからな〉』
「うっ…やっぱり許してくれてはいませんか…」
『〈あったり前だろ、俺のカフェオレ生活を返せ〉』
「Aさんらしいですね…」
終わり
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マジモンの名無し(プロフ) - 終わり、、、マジか、、紅丸様。 (1月7日 3時) (
レス) @page14 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - いきなりすみません🙇出来たら全員のキャラに愛されたいです！（恋愛的に）あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2023年1月16日 17時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
ひよりたん(プロフ) - 続きを恵んで下さいませぇぇぇぇぇぇぇぇm(_ _)m (2021年8月12日 19時) (レス) id: 5b72c3e53e (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 続きが気になります。 (2020年11月27日 15時) (レス) id: a8c24b15d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅丸 | 作成日時：2020年10月19日 14時
