吉野順平ガチ勢が原作をぶっ壊す話2

前世とか今世とか結局はどうでもいいわけ ページ37

｢やめなよ、確かにお前の術式は今や俺より上だけどさ、俺みたいに術式の使用が無限なわけじゃないんだから｣

『……なめるなよ…、こちとら1回死んでるし死にかけてんだ…』

｢死んでるって、ついに頭のネジおかしくなったの？｣


お前にだけは言われたくねぇ、その言葉は喉の奥から吐き出される鮮血にかき消される

原因は言わずともがな術式の使用限界

流れ出る鼻血を拭っても拭っても血は止まることを知らない

体の内側から何かが崩れていくその感覚に寒気がする

だか不思議と痛みも苦しみも感じない

アドレナリンとか言うやつが出てるからだろうか


｢今の状況で何ができるの？俺を祓える？それとも俺を振り切って順平の所まで行くわけ？｣


悔しいが真人の言う通りだ、今のボクでは此奴を祓えない

引きずる鎌も段々と重く感じてきた、それこそ呪力を使い切れば

鎌によって死ぬだろうし、そうじゃなくとも、このままじゃ術式の使用限界で死ぬ


｢簡単な二択でしょ、今ここで死ぬか、順平とお前の命を救ってやる代わりにこっちに着くか｣

『その二択が大きいんだよ…！』


真人を振り切ることならできるか…？いや、そうだとしてもここを離れればきっと

真人はほかの目的を達成するだろう、それは果たして達成されていいものなのか？


あぁ、分からなすぎる

今ボクは何をすればいい

何が正解？何が不正解？

わからない、どうすれば


｢俺も暇じゃないんだけど〜、それに、迷ってたら……順平、死ぬよ？｣


死ぬ…死ぬか、仮に順平が死んだら

ボクはどうなるんだろう

順平を救うためにこの世界に転生して、その順平が死んだら？

ボクと言う存在が、この世界から消えるんじゃないのか？



『……そっか、じゃあ……ちゃんと捨てないとね』



ただ順平が生きていれば

順平を守れれば

順平の望む未来を掴めれば


ボクがその世界に生きていれば



『なぁ、聞こえてるんだろ。縛りを結ぼうよ、前の時みたいにさ』




代償は、前世の世界に存在した

1人の少女の存在そのもの全て

代わりにボクに、その記憶を

力を



｢な…ッ…まだそんなに動け……｣


術式を足に流し、勢いのまま真人を振り切る

流れ込んできた記憶を整理する間もないまま

ただ感覚的に、今は順平の方が優先的だと判断を下す




そう、ボクはただ、ボクがこの世界にいて

ボクの世界に順平がいればいい



『順平ッ！！！！』



前世の私はもう居ない

今のボクは、柊Aだ

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