吉野順平ガチ勢が原作をぶっ壊す話【呪術廻戦】 (ページ30)

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手札は揃えてデュエルスタンバイ！ページ30

『もうちょっと静かにしてよ…！人が起きるっての…！』

｢あ"ぁあそおぉ"ぉぼぉお"｣

『じゃあお前の頭でサッカーしてやるよ』

先日購入した片手鎌に呪力を込めて呪いを斬る

宿儺の指を持ったまま凪さんの走った方向とは真逆の方向へと走り続ける

今はおおよそ午前5時、他の人が寝静まっている時間帯の分、煩くすることは出来ない

住宅の少ない小道を走り、できる限りの呪いを排除する

時々噛みつかれたりしたが、体の強化と治癒で死なない程度に体を保たせた

とはいえ体力にも限度がある、ボクじゃ太刀打ちできない呪いもいる

その上熱が引かないせいで体も酷くだるい

だから…ちゃんと助っ人をよんだのだ

｢呪術師ではない一般の方と聞いていましたが、まさか本当に連れてくるとは…｣

ボクの役目は、宿儺の指を持って

指定された場所まで呪いを連れてくること

そして、その先に待つ1級呪術師

｢早朝出勤は勘弁して欲しいのですが…仕方ありません｣

七海健斗、彼の力で呪いを祓う

ここまでが……ボクの立てたシナリオだ

正直1級レベルなら誰でもよかったが、たまたまこの近くに寝泊まりしていて

伊地知さんに事情を話した際に動けるのが彼だったと言うだけだ

背後から迫る呪いの気配が消えたことで、ボクは思わずその場に座り込む

息がしずらいし、頭痛は酷い、体のあちこちから血が出てるし、生きてるのが凄い

｢大丈夫…ではなさそうですね。立てますか？｣

『ちょっと、…このまま休ませて…くださ』

｢あぁ、そうでしたね。確か貴方は自己治癒が出来るんでしたっけ｣

サングラスの位置を治し、七海さんは自身のハンカチをボクに差し出した

｢流石に顔に血が着いたまま帰宅するのはアレでしょう、服についてはご自身でお願いしますよ｣

『はは……優しいんだか…厳しいんだか、』

｢それと、あれだけの呪いが貴方を追うということは…本当なんですね？｣

深緑の目がボクを見やる、射抜くようなその視線に

ボクはポケットから宿儺の指を差し出した

七海さんは驚いたようにするが、すぐに御札のような紙をその指に巻いていった

『宿儺の指の情報、特級呪霊の弱点を教える代わりに、1級相当の呪術師を派遣して欲しい、ちゃんと守ってくれましたね』

｢君は本当に預言者かなにかのようですね｣

『はは…今日この日までは、そうかもしれないです』

ボクは少し安心して、歩けるほどに回復した体を起こした

その安心が、後に絶望に変わるとも知らずに