「私、笑えませんから」【SixTONES】 (ページ8)

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着信音が鳴ると携帯に表示されたのは北斗の名前

北［もしもし？A？］

『さっきはごめんね、気付いてくれてありがとう』

北［大丈夫か、 LIVE ］

『私がここで足掻いたって決定事項は何も変わらないもの、やるしかない』

北［そうだけど、俺らの前で無理するのだけはやめろよ］

『わかってるよ』

みんな私が LIVEが苦手なことは知ってる
でもみんなには「大勢の前に立つのが苦手、視線が集中するから」って言ってる
全くの嘘、そんなのアイドルだから慣れてるのに

北［俺らはお前守るためにいるんだから］

『ありがとう、なんかあったらちゃんと言うよ』

じゃあなって言って電話を切った

『あー明日から密着じゃん』

一人で煙草に火をつけて
いかにも悪影響な煙を体内に入れる
煙草を吸ってるとなんだか楽になるニコチンのせいなのか
「汚れてる自分」を正当化できるかはまだわからない

煙草の火を見つめながら思う

私はいつか笑えるんだろうか
あのステージに立って、メンバーのみんなと思いっきり心の底から笑うことができるんだろうか

『笑えるかな、私』