〜4話〜 ページ5
船を降りるとホンゴウさんの手が私の前に差し出されるので手を乗せる。
ベック「A」
後ろからベックさんに呼ばれるので振り返るとお頭もいた。
「分かってます!不祥事を起こすなですよね?」
ベック「あァ」
シャン「毎回島に降りると何かやって来るんだから気を付けろよなァ」
「お頭もいっつもベックさんに怒られてますよね」
シャン「俺は良いんだよ〜だ!」
いがみ合ってると頬をホンゴウさんにつねられる。
「いたたたた!」
お頭もベックさんに溜息をつかれていた。
ホン「行くぞ」
「は〜い」
ホンゴウさんに手を引かれて街に足を踏み入れる。
「「よォ!そこのお2人此処の特産買って行ってくれよ」」
「「お嬢さん この服良いわよ〜」」
路面店から聞こえる声。
すれ違う人達の手に握られている食べ物を眺め見たり、何処かから聞こえて来る音楽に耳を傾けたりする。
ホン「あれ?こっちか?」
地図片手に悩んでいるホンゴウさんの手を引っ張った。
「私にも見せて下さい」
目線に合わせてしゃがんでくれるので地図を見る。
ホン「今此処の道を歩いて来たんだよ」
指先で地図をなぞって説明してくれた。
「お店は此処ですか?」
赤く丸が付けられている箇所。
確かにこの辺り。
地図から顔を上げて辺りを見渡すと細い路地を見つけた。
目を細めて奥を見ると太陽の光で白くぼやけてしまっているが建物が見えるのでホンゴウさんの手を引っ張る。
ホン「見つけたのか!?」
「はい!こっちです!」
薄暗い路地を抜けた先に見えたのは蔦が絡み合っている建物と手入れが行き届いている庭園。
ホン「すげェ これ全部薬草だ」
目をキラキラとさせたホンゴウさんと歩みを進めると見たことの無い蝶が私の前を通る。
建物のベルを鳴らすと老婆が顔を出すのでお辞儀をする。
ホン「これが欲しいんだが此処にあるか」
1枚の紙を手渡す。
「「中へお入り アンタ達海賊だろう」」
老婆の視線は私達より奥を見ていたので振り返ろうとしたがホンゴウさんに頭の後ろを持たれてしまいそれは叶わず、中へ入った。
633人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アルマジロ | 作成日時:2022年9月17日 23時