〜39話〜 ページ40
次に降り立った島は冬島に近いせいか物凄く極寒だった。
「うぅ〜さぶ」
モンスターを抱きしめながら操舵室にある暖炉の前で丸くなる。
―――――――バンッ。
強く操舵室の扉が開くと、トレードマークの帽子をいつもより深く被っているライムさんが入って来た。
ライム「Aもうちょっと端に寄れよ」
「はァ！？私が先に此処取ったんですよ！？」
スネイ「お前らなァ〜 狭い場所に集まるなよな」
「だって外寒いんだもん ね？」
腕に抱いているモンスターが鳴く。
ライム「毛布半分寄こせ」
「だから嫌ですって！他の人から奪って来て下さいよ！」
ライム「モンスターと暖炉どっちかにしろよ！」
「両方です！！」
スネイ「あ〜〜もう！！うるせよ！」
スネイクさんに首根っこを掴まれると、廊下に放り出された。
「ライムさんのせいですからね！」
ライム「いやお前がうるさくしたからだろ！？」
「ライムさん！」
ライム「A！」
パンチ「お前らうるせェぞ！」
「あ」
パンチさんが来ると腕に抱いていたモンスターが離れる。
一気に、寒くなる。
ライム「残念だったな」
「モンスタ〜」
パンチ「ルウがスープ作ってくれてるぜ」
「ほんと！？」
パンチ「あァ」
走り出そうとすると隣にいたはずのライムさんの姿がもう既に無い。
パンチ「あそこ」
指差された方向を見ると食堂の方に向かった走っているライムさんの背中が見えた。
「ライムさぁぁぁあああん！！」
床板を強く蹴った。
パンチ「A！！！船内で能力を使うなよ！！床板が割れたじゃねェか！」
後ろから聞こえるパンチさんの声を無視して食堂に向かう。
「ルウさん！」
食堂に入ると先に走って行ったライムさんが素手にスープに手を付けようとしていた。
ルウ「沢山作ってあるからそう慌てるな」
丸いお皿に具沢山のスープが盛られる。
ライムさんの正面に座って、1口飲む。
「はぁ〜〜」
全身に温かいスープが染みる。
ルウ「ほらよ」
焼きたてのパンが入ったバスケットを置かれるので手を伸ばすとライムさんの手を重なった。
「年下に先に譲って下さいよ！」
ライム「年上優先だろうが！」
「っち」
ホン「レディファーストだろ」
隣から伸びて来た手が私が取ろうとしていたパンが手に乗る。
ライム「ホンゴウ てめェ」
「女扱いしないでっていつも言ってるじゃないですか！」
ホン「たまには女扱いされとけ」
「何ですかそれ‥‥」
固いパンをかじりながら言う。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2022年9月17日 23時
