【ONEPIECE】失くした左腕は此処に。 (ページ23)

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～22話～ページ23

ホン「助けたいと思ったからだたそんだけだ」

消毒液の入った瓶の蓋を開けながら言われる。

助けたいから助けた。

今までの助けたいけど助けれない大人とは違う。

綿球が膝に触れると痛みが走る。

「ッ…」

ホン「すぐ終わるからそんな食いしばるなって歯が折れちまう」

「「ホンゴウさんいっつも荒治療なんですって！」」

知らない誰かの声が頭に響く。

ホン「頭も打ったのか？」

首を横に振る。

シャン「ホンゴウ此処にいた…の…‥か」

大きな鳥が羽ばたくような低いマントの音と声が頭上から聞こえた。

視線を向けると印象的に残る赤髪の男性が立っている。

ホン「悪いなお頭すぐ戻るから先に行ってくれないか」

シャン「転んだのか」

「「A～また傷作ったのか～？」」

顔に靄が掛かっている人物が私に触れながら言葉を言うのが頭によぎる。

ホン「やっぱり頭も打ったんじゃ‥‥」

「違う！！！！」

想像した何倍かの声が出てしまい自分でも驚く。

お礼を言う前に私は立ち上がって走った。

後ろから誰かが追いかけて来るが振り向かずに深くなる森に進む。

シャン「おい！」

手首を掴まれた。

「離して下さい！！」

振りほどこうにも男の人の力の強さには勝てない。

空いている手で掴んでいる手を掴んで離そうとすると雫が落ちて来た。

シャン「マキノさんが心配してる」

何で、赤の他人なのに。

どうして優しいの。

「「人は助け合って生きる生き物だから」」

激しい頭痛にその場でしゃがんでしまう。

シャン「痛むのか」

体に当たる雨が酷くなっていく。

私に手が伸ばされるがそれはすぐ近くで引っ込んだ。

酒場で会った時に叩いたのが原因だろう。

シャン「‥‥触れても良いだろうか」

私の全てを見透かされそうで目を合わせれなかった瞳と今、合う。

その瞳に映る私は不安そうだったけどそれよりも私の事を見つめるこの瞳の方が不安そうだった。

私はゆっくりと静かに頷く。