【ONEPIECE】失くした左腕は此処に。 (ページ2)

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～1話～ページ2

縄が軋む音が遠くから聞こえると思っていたら音は段々と近づいてくるので、重たい瞼の片方を開けた。

ヤソ「ったくまた見張りせずに寝てたのかァ？ベックマンに言いつけるぞ」

「んん゛～～！！」

固まった体を解すように、大きく背伸びをすると肩に掛かっていた毛布が膝に落ちる。

ヤソ「聞いてんのか！！」

「あててててッ！き、聞いてますから頬引っ張らないで下さいよ！」

ヤソ「見張り交代だルウが飯作ってあるから食堂寄れってよ」

「は～い！見張りお願いします」

使い古されて持ち手の色が変わっている望遠鏡をヤソップさんに渡して、見張り台から飛び降りた。

一瞬、ヤソップさんの溜息が聞こえた気がするがそれは波風で消されてしまい上手く聞き取れなかった。

「ライムさんーー！」

真下にいるライムさんことライムジュースさんに向かって大きく手を広げる。

まだ寝ぼけているのか辺りを見渡していたがやっと上から落ちて来る私に気づいてくれた。

ライム「ま、待て待て待てって！」

慌てながらも両手を広げて受け止めようとしてくれるので安心してライムさんの胸に飛び込んだ。

あまりの勢いにその場で何回か回転して倒れた。

「あーー！楽しっ！！」

ライム「お前さァ見張り台から飛び降りるなってあれほどベックマンに言われてただろう！」

下敷きになってるライムさんが言う。

「そんなこと言ってました？」

ベック「あァ耳に胼胝が出来るぐらい言ったはずだが？」

耳元近くで低くて威圧感のある声が聞こえた。

「…わぁああああ！！」

反射的に甲板の端まで逃げる。

頭を手摺にぶつけて痛いが今はそれどころじゃない。

鬼の形相をして愛用の煙草を吹かしている副船長をどうにか宥めなければ。

ゆっくりとこちらに近づいてくる。

他の船員達は笑ってこちらを見ていた。

少しは助けてくれても良いじゃんかと心で思っているとベックさんに首根っこを掴まれ、そのまま食堂に放り込まれる。

「んぎゃ！」

ルウ「またA見張り台から飛び降りただろう～」

どうして食堂にいるルウさんにバレているのだろう。

「何で分かったんですか？」

痛むお尻を撫でながら聞く。

ルウさんが目で訴える。

その先には、此処からでも分かる程のもの凄い隈を付けたお頭がこちらを鋭い瞳で見てきている。

よく見ればお頭の腕には赤と白の髪をもつ子が気持ち良さそうに眠っていた。