何者 ページ48
・
女子が終わったなら、次は男子。
明日は10月1日。男子の初戦だ。
相手国はイタリア。世界ランク3位の強豪。
今の日本なら勝てるかもしれない。
西田くんが初出場で、敵国にデータを取られてない分、彼には思いっきり動いてもらえそうだ。
そして、私の仕事が終わるのと同時に、みんなに伝えなければいけないことがある。
｢ごめんなさい、明日から大会なのに集まってもらって｣
柳田｢大丈夫。どうせ今日は自主練も思いっきりできないから｣
｢…そうですね｣
体育館の控え室。
選手と監督が揃っている。
私の総合マネージャーという立場を、説明しなければいけない。
監督は知っている。中田監督から聞いたそうだ。
私がこの仕事を引き受けたわけ。そして、何者かを。
｢…私が大学を卒業して、就職したのはジムでした。体を動かすことが好きだったから、何も、不満はなかったんです。
だけど、やっぱりどこかでバレーをしたいなって思ってました。でもできなかった。私には、友達と呼べる存在がいなかったから。｣
バレーは、一人でできる競技じゃないから。
最低でも6人、相手チームも合わせたら12人は必要だ。
ちょっとだけ、重い空気になってしまった。
本当はこの時期に言うことじゃないんだろう。
そういえば、女子のみなさんに伝えたのも、大会前だったな。
｢私は7歳の頃にバレーを始めました。その時はスパイカーをしていたんです。
バレーを続けるうちに、自分のチームメイトや敵チームの動きを分析するようになりました。
それはチームの役に立ち、最初は勝てなかったところにも勝つようになったんですけど、周りの友人は気持ち悪がって、離れていきました。
…ずっと見られている感覚が、嫌だったんだと思います。
そんなのしなくたって戦えるって｣
…ちょっとだけ、泣きそうになる。
チームのためを思って、私がした分析は、結果的に私を苦しめるものになった。
でもそんな時に、高校バレーを見て、柳田さんの存在を知り、すごく憧れた。
綺麗なサーブフォームも、スパイクも、全部全部すごいと思った。
｢だから、私のサーブフォームが柳田さんに似ているんです｣
柳田｢…それいくつの時？｣
｢私が、…14歳？とかですね｣
柳田｢…すげーな｣
｢何度も見て、何度も練習しましたから。そして、柳田さんの近くで戦いたくて、東洋を選んだんです｣
柳田｢…それで、東洋はどうだった？｣
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1189人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エマりん - 読んだら感想を仲良し芸能界で！ (2020年2月9日 7時) (
レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - エマりんさん» ありがとうございます！はい、読みたいです！ (2020年2月9日 7時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - 貴方の作品を見てみてすごいと思いました！だから私の作品も見てほしいなぁって思いました…読んでくれる？作品名は仲良し芸能界です！高評価お願い！ (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - エマりんさん» ありがとうございます！！はい！ぜひ！友達申請お待ちしております！！ (2020年2月9日 7時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - めちゃくちゃ良かったです！友達になりませんか？ (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花
| 作成日時：2019年10月23日 21時
