退院 ページ27
・
3-2で負けた、惜しい試合だったと、関田さんが言った。
…負けた。そっ、かぁ。
見たかったあぁぁぁぁ…。
しばらくしてお医者さんと看護師さんが入ってきて、軽い検査をした。
ああ、そっか。私ボールが当たったんだっけ？
｢関田さん、私、誰のボールに当たったんですか？｣
関田｢…あー、…こいつ｣
西田｢…｣
そう言って指さしたのは西田くん。
…ん？西田くん？の、？
｢スパイクですか？｣
関田｢いや、サーブ｣
｢サーブ！…よくぞ私無事だったなあ｣
医者｢そうでもないですよ。脳とか体内に関しては全くの無傷ですが、背中に大きな打撲痕があります｣
｢え！…痕残ります？｣
医者｢毎日寝る前に貼り薬を貼れば問題ないかと｣
｢よかった｣
痕が残らないならいい。
それにしても、女子の試合見たかったな。
まあ、録画はしてあるんだけども、やっぱ生で見たかったよ。
しかも、そんな惜敗だったら相当悔しかっただろうな。
真佑ちゃんとか、紗理那ちゃんとか、自分を責めすぎてないといいけど…。
医者｢どこも異常ないようですので、明日には退院できるかと思います｣
｢…今日退院とかって…？｣
医者｢…できなくもないですが、安静にする約束付きです｣
｢できます｣
医者｢…なら、本日の午後、退院ということで。Aさんの退院手続きしといて｣
看護師｢はい｣
退院してなにしよう。
まず、女子のロシア戦を見よう。そして、データまとめよう。それから、代表女子に連絡しなきゃ。
それから、それから、
関田｢じゃあ俺、Aが目覚ましたって電話してくるから。西田、ちゃんと言えよ？｣
西田｢…うす｣
｢いってらっしゃい｣
関田｢おう｣
そう言って関田さんが出て行く。
…いつの間にか苗字呼びから名前呼びになってて、ちょっとドキッとする。
えへへ、かっこいいな。
西田｢…あの、Aさん｣
｢ん？｣
西田｢すみません、ボール、あの、｣
｢ああ、気にしないでよ！わざとじゃないんだし｣
西田｢いや、あの、狙ったわけじゃないんすけど…｣
そこから西田くんが全部話してくれた。
…そりゃあ、無名のぽっと出が試合をいいように運んで勝ったんだ。イライラもするよ、うん。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エマりん - 読んだら感想を仲良し芸能界で！ (2020年2月9日 7時) (
レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - エマりんさん» ありがとうございます！はい、読みたいです！ (2020年2月9日 7時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - 貴方の作品を見てみてすごいと思いました！だから私の作品も見てほしいなぁって思いました…読んでくれる？作品名は仲良し芸能界です！高評価お願い！ (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - エマりんさん» ありがとうございます！！はい！ぜひ！友達申請お待ちしております！！ (2020年2月9日 7時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - めちゃくちゃ良かったです！友達になりませんか？ (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花
| 作成日時：2019年10月23日 21時
