25話 ページ27
「………ｯ何も知らないくせに
知ったような口聞かないで」
「なら、話せ!!!」
慟哭
「お前だけが背負えるようなものじゃないだろ!!
もっと人を頼れ!!
苦しいなら人を「助けてくれる人なんかいないわよ!!!」
喉が引き攣る
吹き出した涙が溢れ出て、床を濡らした
何も考えられなかった
「……澪奈が死んでも
反省することも、悲しむこともない
机の落書きを消す奴も誰一人としていなかった……!!
あんなクソみたいな奴らに
澪奈は殺されたんだ………!!!
誰も頼れなかった、それどころか虐げられた!
そんな奴らに、何を頼ればいいの?!
ねぇ…ねぇ!!!」
私も柊も泣いていた
涙がポタリとこぼれ落ちる
カーディガンの下、Ｙシャツがじっとりと濡れていた
左肩だ
「……血が、」
柊の指摘に左肩を見ると、真っ赤に染まっていた
古傷が開いたのだろう
あの時のことが
この傷の元凶が
脳裏を掠めていく
「………はなして」
柊は簡単に退いた
左肩を抑えながら立ち上がる
白い布に染み付いた血が掌にべっとりと付いた
痛みでふらつく
「……ｯあ、」
縺れた足は、まるで体を支えようとしなかった
バランスの崩れた体はあっという間に倒れていく
来るであろう衝撃にギュッと目を瞑った
＿＿が
支えられていた
「自力で立てもしないじゃないか」
鼻で笑われる
その姿に文句の1つでも言ってやろうかとも思ったが
如何せん痛みで動きもできない体だ
鉛のように重くて口は動かなかった
「手当してやる」
カーディガンを脱がされ、Ｙシャツのボタンを外される
外から見たら確実に誤解されそうな場面だ
だが下心などは全くない
「この傷は、どうした」
肩から腕にかけて付けられた傷
切り刻まれたその大きな傷は紅く燃えて酷く醜い
「……いいたくない」
なんとか口を動かした
柊はそうか と一言言って、止血を始める
「大分危ない所に足を突っ込んでるみたいだな」
「それはアンタも同じでしょ」
包帯が巻かれていく
元々白い肌に白い包帯は目に眩しい
「……ドーモ」
結局手当されてしまった
しかも、敵にだ
全くもって最悪だ
時計を盗み見る
短針は3を差していた
通りで眠いわけだ
立ち上がり、準備室のドアを開ける
その背中に柊の声
「…………いつか話してくれ」
私は少しだけ笑った
笑っただけで何も言わなかった
言えなかった
わかっている
私はもう汚れてしまった
元の道には戻れない
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！応援してます！！ (2022年8月23日 17時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - もう更新しないんでしょうか？すごく面白いので続きが見たいです。続編と物語の更新楽しみにして待っています (2020年9月27日 0時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - ヤバイですね！まさかの共犯になるなんて…！面白いです！更新待ってます！ (2020年1月24日 23時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - すっご.....。作者様、絶対頭良いやん.....。 (2019年3月16日 10時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ナナたん - 超大作ですね！ (2019年3月15日 20時) (レス) id: 0ab40017a4 (このIDを非表示/違反報告)
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