孤独は時に奇跡を呼ぶ Ⅱ【d!】 (ページ1)

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使者ページ1

sr「らっだぁ、いるのでしょう？出てきなさい」

虚空に向かって睡蓮は話しかけた。ダクトがずれ赤と青色の何かが降ってくる。

一瞬で空気が張り詰める中、男はへらりと笑った。

rd「えー、ども、らっだぁでーす。そこにいるのが総統サマ？」

gr「そうだゾ。グルッペン・フューラーだ」

rd「どーもー」

シャオロンはいつでも動けるようにナイフを弄び、トントンとひとらんは其々グルッペンとオスマンの後ろに立っている。

rd「え、鬼霧一族居んじゃん。やば。なんで睡蓮教えてくれんかったん？｣

sr「長老には報告済みです。それに、外政陵に潜入している貴方に連絡する手段がないでしょう？」

rd「そりゃそうだけどさぁ……ま、いいや。総統さん。使者として本題入らしてもらうわ」

ヘラヘラとした雰囲気から一変して、妙な気を纏うようになった。

到底使者とは思えない風貌だが。

rd「外政陵より、協力関係を組みませんか？」

gr「使者というのは本当のようだな」

rd「え、疑われてたんですか？」

tn「続けてもらっても？」

rd「あ、ハイ……内政陵現魔女の千愛姫が狙っているのは姫様の首。おそらく内政邸の主の血筋を完全に絶やしてしまおうという策略です」

os「それで？外政陵の目的は？」

rd「現魔女を殺し、姫様を魔女に据えることで内政陵を外政陵の支配下に置こうという考えです」

kn「ほーん。それで外政陵からの侵入者は皆軽装備やったんか」

rd「ですです。ま、手を組んで共に内政陵……現魔女を潰しましょ、ってことです」

gr「……必要ない。どうせ近々潰そうと思っていた国だ」