【フランシス】Si vous volez librement pour vous.(シリアス) ページ3
(男主。恋愛要素はない。ただそれっぽくはある。史実も含む創作。死ネタ)
「遊びに来たよ!フランシス兄ちゃん!」
「A!来てたんだな。」
「うん!兄ちゃんに早く会いたくてね。荷物を置いてきたらすぐに兄ちゃんの所に来ちゃった。」
こうぴょんぴょんと跳ねる少年を笑いながらフランシスは見つめる。
もうこんなに大きくなったのか、と思いながら。
数年前にアメリカから祖父の家に遊びに来たと言う少年、Aは祖父の知り合いであるフランシスの家にも少しずつ遊びに来ていた。
学校の再開と共にアメリカへ帰ってきたAだが、アメリカにいる時もフランシスと文通を交わしていた。
年に二、三回ぐらいの話だが。
「兄ちゃん全然変わってないねー!相変わらず何歳なのかわかんないよ!」
「それはお前が変わりすぎただけだぞ。もう俺の肩ぐらくじゃないか。」
「あーそっか。でも、俺が兄ちゃんの背を抜かしても兄ちゃんはいつまでもフランシス兄ちゃんだからな!」
そう言って笑顔で庭を駆け回るAはあの時と変わらない幼さがある。
純粋で何も知らない小さな男の子。
この世界の汚れも汚さも醜さをも知らず、ただただ純粋に生きる小さな少年。
今までの戦争に比べて短期間だった今回の戦争は、平和ボケしていたフランシスの目を無理やり覚まさせた。
兵士と政治家の戦いだった戦争は、国家全体をまるごと巻き込んだ大規模な初めての大戦争と生まれ変わり、全く見たことのない兵器、見たことのない武器を生み出していった。
多くの人が死んだ、多くの者が涙を流し、不幸になった。
その戦争でできた傷をフランシスは癒そうとしているのか。Aに優しい兄としての表情を見せると、自分の何かがすっと消えていく気持ちになるのだ。
昔の戦争で知り合った兵士の孫にパリの街並みを案内していく内に仲良くなっただけの、ただの一般人なのに。
「兄ちゃん!見て!飛行機だ!飛行機が飛んでるよ!!わー、いいなぁ。」
空を指さしてじっと見つめるA。開発が進む飛行機をじっと見る少年の姿はまあ絵になるなと思い、微笑ましい気持ちで見ていた。
「あのねあのね、将来俺、飛行機乗りになりたいんだ!」
少年が大きな声で言う。
「うん。」
「パリとニューヨークを無着陸飛行で飛んでみんなに勇気を与えたいんだ!」
「兄ちゃんに大きくなった俺を見てもらいたい!」
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ミファ(プロフ) - エリジャさん» ありがとうございます! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 9307a90a97 (このIDを非表示/違反報告)
エリジャ(プロフ) - ミファさん、こんにちは。イベント参加ありがとうございます!!読ませていただきましたが…ぶ、文才が凄すぎる………すごく上手いですね!!これからも頑張ってください!応援しています!! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)
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