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「…そうだったのですか…」
少女はローデリヒの名前を伏せた。何故だかよくわからないが伏せたかった。

「私、その人の発表会に行きたい。だから、バイオリンは今だけは弾きたくない…」
「選べばいいと思いますよ。」
「ママは期待してるから一緒に弾く方をきっと勧める…だからどうしようもないの。」
「とりあえず、今日は暗いですし…今度私の家に来てください。」
そう言われ、二人は別れた。
少女は何故だか彼の家を知っているような気がした。


それから二日後、少女はローデリヒの家に行く事にした。
エリザベータが迎え入れてくれ、少女は中に入る。

「…今、ローデリヒさんが演奏してるからここで聞いていてね。」
ピアノの置いてある部屋に入った少女は、エリザベータが用意した椅子に座り、ただただ弾いているローデリヒの姿を眺めていた。
「あの人だったんだ…」
ローデリヒの演奏は素晴らしく、バイオリンを弾きたい衝動に駆られた。

演奏が終わった時、エリザベータがこうにっこりと笑った。
「…来月の演奏会、Aちゃんも一緒に弾くことになってるのよね?」
「え?」
ローデリヒの演奏会に行くことは決めていたが、一緒に弾くことができるとは思いもしていなかった。

「おや、貴方だったのですね。」
「ローデリヒだったんだ…びっくり。」

「…私、一緒に演奏会に出ていいの?一緒に弾いていいの?」
「腕の立つバイオリニストがいると聞いたので…貴方だったのですね。」
「いいんだ…やったあ!」


少女はそれから毎日のように練習を重ねた。
幾度も幾度も。

そして演奏会当日には、二人の素晴らしい演奏で会場を包み込んだ。


少女の笑顔は、今までで一番明るかった。

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ミファ(プロフ) - エリジャさん» ありがとうございます! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 9307a90a97 (このIDを非表示/違反報告)
エリジャ(プロフ) - ミファさん、こんにちは。イベント参加ありがとうございます!!読ませていただきましたが…ぶ、文才が凄すぎる………すごく上手いですね!!これからも頑張ってください!応援しています!! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミファ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年4月1日 18時

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