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エリザベータにフェリシアーノからローデリヒの話を聞いた少女は、毎日のようにバイオリンを弾いていた。
そして町で出会ったエリザベータに自慢の音色を聴かせる日々。
「あ、そうだ。貴方もローデリヒさんのお家にいらっしゃい。来月、演奏会があるみたいなの。」
そう言いながら、バッグから紙を渡すエリザベータ。
演奏会の日にちは今から丁度一か月後。
「ローデリヒって演奏会もできるんだ!すごい!」
少女は大きく頷き、まだ話したことのないローデリヒの声を思いながら、帰る。
家に帰った少女は母に呼び止められた。
「今度、有名なピアニストが演奏会をするみたいなんだけど…貴方もゲストとしてバイオリンを弾けるみたいなのよ。」
招待状には、ゲストとして一曲弾いてほしいと言う綺麗な字で書かれていた。
課題曲は少女が毎日のように弾いている曲。
日にちは丁度一か月後。
しかし、少女はローデリヒの演奏会の日にちを思い出した。
「…ママ、これ私でない。」
「え?」
母は聞き返した。バイオリンが好きな彼女が断ることを予想していなかったからだ。
「私、ローデリヒの演奏会を聴きに行くから。私は絶対出ないからぁぁぁ!」
少女は走って外に出て行った。
*
少女は公園のベンチに座っていた。
夜に近づく夕暮れ時で、子供ももう遊んでいない。
きっと夜には怖い大人が町中をうろついている。…
帰ったらきっと母に怒られる。そしたローデリヒの演奏会に行けない。
「ローデリヒの演奏会、行きたかったな…」
そう呟いていると、足音が聞こえる。
だれの足音だろうと耳を澄ませていると、随分と綺麗な身なりの男が歩いていた。
何か頭から出ていて、メガネをかけている。貴族のようなその見た目。
「貴方はここで何をしているのですか?こんな時間に子供が一人で…」
男は少女に話しかけた。
少女は涙目になりながらも、男に全ての事情を話した。
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ミファ(プロフ) - エリジャさん» ありがとうございます! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 9307a90a97 (このIDを非表示/違反報告)
エリジャ(プロフ) - ミファさん、こんにちは。イベント参加ありがとうございます!!読ませていただきましたが…ぶ、文才が凄すぎる………すごく上手いですね!!これからも頑張ってください!応援しています!! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)
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